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≪ルノワール展≫ 国立新美術館

※ 記事内に商品プロモーションを含んでいます

家族と親戚から「これは見ておいた方がいい」と言われ、行って参りました

ルノワール展≫。

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ちなみに2人以上から薦められた展覧会には必ず行くことにしております。

 

 

で、結論を先に申し上げますと

やはり見ておいて良かった!!ありがとう薦めてくれて!!となりました。

 

今まで私が見た数少ないルノワール作品だけで、なんとなくルノワール作品は

こんな感じ、という勝手なイメージを抱いておりましたが。

先入観はいかん、と肝に銘じました。

 

 

Ⅰ章 印象派へ向かって

 

 まずは最初の作品から「!!!」。

 モデル不明という≪猫と少年≫

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 そうですか、そうですか。この作品を展覧会のトップに!と。

裸婦のイメージはあるのですが、ちょっと驚きました。

公式ホームページには「ルノワールによる極めてまれな男性裸体画です」

とのこと。

 

猫の嬉しそうなシッポと、少年の腕に前足をかけてるところが

可愛いなぁ。

 

陶器の絵付け職人を経てパリの国立美術学校や私設のアトリエで

絵画を学んだことすら知りませんでした。

 

そうそう、ショップにあった本。

ちょっと気になっています。

 

ARTBOX ルノワールの犬と猫 印象派の動物たち (講談社ARTピース)

 

 

その8年後ぐらいの作品が≪陽光のなかの裸婦≫

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そうそう、これぞルノアールって感じだなぁ、なんて。

そう思いつつ、次の章へ進むため振り返ったら、これまたビックリ。

 

 

Ⅱ章 「私は人物画家だ」:肖像画の制作

 

 ≪ウィリアム・シスレー(1799-1879)≫

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ご自身で「人物画家」と仰るぐらいですものね、流石です。

失礼ながら、あまりのうまさに驚くと共に、こうゆう絵を描いていたのか、と。

そうですよね、基礎があるからこそ自分流に変化させていけるんですよね。

失礼いたしました。

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左:≪ジョルジュ・アルトマン婦人≫

アルトマン婦人は、ルノワールが全身像の肖像画を初めて描いた作品とのこと。

 

右:≪クロード・モネ(1840-1926)≫

画家に描かれる画家も緊張しそうですし、画家を描く画家も緊張しそうですね。

モネの描いたルノワールはないのかなぁ。

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 私の好きな絵が2枚とも絵はがきになっていて嬉しかったです!

左:ジョルジュ・シャルパンティエ婦人

婦人の優しい眼差し、ほっとします。

 

右:ヴェールをつけた若い女性

女性が肩にかけているショールのもふもふ感、そして右側に塗り込められた色が

現物ですと、もう少し緑がかった色だったような。

その何とも言えない色にも惹かれました。

 

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左:≪ポール・ベラール夫人の肖像≫

きりりっ、とした表情が好きです。

 

右:≪読書する少女≫

モデルはマルゴというモンマルトル出身の女性だそうです。

1870年半ばの絵に良くでてくるとか。

公式ホームページには、彼女が若くして亡くなった、と書いてありました。

だから、ある時期しかモデルとしてでてこないのですね…

 

そして、次の2枚を見たときに「わぁ!また見られた!」と。

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左:≪シャルル・ル・クール(1830-1906)≫

右:≪横たわる半裸の女性(ラ・ローズ)≫

2014年、今回と同じく国立新美術館で開催された≪オルセー美術館展≫にも

出品されていたのを奇跡的に覚えておりました。

 

で、帰宅してから≪オルセー美術館展≫の出品作品リストを見てましたら

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 この時に出品されたルノワール作品6点、そのすべてが今回も来日!

肖像画4点、風景画2点。

さも、今回初めて見たかのような目で見た作品もあったけれど

やだ、見てたんだ。ははは

 

  

Ⅲ章 「風景画家の手技(メチエ)」

 

この章でも、さっそくの驚き。

ルノワールの油彩作品全体のうち1/4が風景画という説明。

そんなに?!人物、特に女性を描いているイメージが強いのですが

そうですか、そうなんですね。

1881年にアルジェリアを旅行した時に見た黄金の太陽

インスピレーションになってるそうで。

 

 この章で一番好きなのが≪草原の坂道≫

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気持ち良い風がそよぐなか、のんびり親子で散歩している、

そんな感じに見えました。

 

近くで見ると、結構絵の具がポテっと置かれてる箇所もあって。

近づいて見ると「??」なんですが、離れて見ると全く違和感ないという。

そして、「絵の具まだ乾いてないんじゃないの??」と思うぐらい

みずみずしいというと表現が変なのですが、いま描きたて!みたいな

作品がいくつもありました。

 

ルノワール自身は「風景画なら、その中を散歩したくなるような絵画が

好きだ」と言っていたようです。

 

時折、目を凝らすと人物が見えてくる作品もあって、あ、川の中にボートが

とか、木の下に人がいた!とか。

私の視力が悪いのもあるとは思いますが、皆さん、どんな風に見られたのかなぁ

なんて少し気になりました。

 

 

 次の章へ行く途中の壁一面にルノワールの年表、小さめの自画像、そして

動くルノワールの姿(2分ほど?の短い映像が流れていました)。

 

壁に書かれていたルノワールの言葉は

「絵とは、好ましく、楽しく、きれいなもの

 ―そう、きれいなものでなければならない!」

この言葉には続きがあって、

「人生には不愉快なことがたくさんある。だからこれ以上、不愉快なものを

 つくる必要なんかないんだ」とのこと。

この言葉を載せたエコバッグがミュージアムショップで発売中!

(と勝手に宣伝)

 

アトリエで座るルノワールさんの写真が大層格好良くて。

絵はがきがあればいいな、と思ったのですが残念ながらありませんでした。

ですよね、画家の絵はがき売ってるのって見たことないです、はい。

 

  

Ⅳ章 ”現代生活を描く”

 

話しが大きく逸れますが。

この展覧会良かったなぁ、と私が感じた理由のひとつとして作品の展示間隔が

広いこともあげさせていただきたく。

すごく見やすかったです。あまり隣の絵と近すぎると、つい次の絵も気になって

しまうというか。まぁ、それは私がいけないんですが。

 

少し間があることで、1つ1つの作品に集中し見ることができました。

並べて展示することで、面白い効果がでることもあると思うので

なんでもかんでも間隔が広けりゃいい、と思ってる訳ではないのですが。

 

特に、このⅣ章の会場に足を踏み入れた途端、わぁ~広くていいなぁ、と。

ここまで会場を開放的に使っている例をあまり知らなかったので、

個人的にはとても新鮮でした。

 

さて、話を絵に戻しまして。

 ≪ぶらんこ≫f:id:usakamedon:20160726213330j:plain

 これまた近づいてみると、ポテっと絵の具が置いてあるだけに見えるのに

離れて見ると、木漏れ日にしか見えないという。

そのポテッこそがルノワール独特の光を表現方法する秘密、なのかも??

(違うと思う)

 

左の少女が、順番待ちしてるように見えて。

樹の後ろから、こちらを見ているのが少女のお父さんかな、とか

またも妄想しながら見てました。

 

そして、≪ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会≫

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131.5×176.5cm。

想像以上に、ググッと大きく。

自分が同じ場所にいて、その光景を見ているかのような。

あぁ、なんだか音楽が聞こえてきそう……

 

え?

 

き、聞こえてた。

実際に会場内に音楽が流れていました。

この絵から少し離れた場所で、ルノワールの息子であるジャン・ルノワール

映画が紹介されていたのでした。

 

この絵を見たとき、なんだか舞い上がってしまって。

閉館時間ギリギリにも、この絵を見に戻ったのですが、絵に魅了されて

しまい見てるんだか、見られているんだか??じっくり見たはずなのに

なんだか、見たぞ!という手ごたえがなくて。

もっともっとじっくり見ていたい、そう思う絵でした。

この絵のためだけでも、もう一度行きたいと思っております。

もちろん、行ったら他の絵も堪能しますが、はい。

 

この章は、ルノワールの作品だけでなくゴッホなど他の画家の作品も

展示されております。

中でも私が一番好きなのはアルフレッド・ステヴァンスという人の

≪社交界の集いからの帰宅 あるいは 黄色いドレスの女性、

 舞踏会から戻って あるいは 舞踏会からの帰宅≫。

タイトルの長さにも驚きますが、その絵の美しさも驚きでした。

 

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ランプの本体部分や、鏡に映るランプも美しかったです。

この人の作品をまとめて見てみたい!と思いました。

 

そして、こちらも好きでした。

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ジェームズ・ティソ ≪夜会 あるいは 舞踏会≫

 

腕のところの透けている感じや、衣装も見事ながら。

紳士の白髪が!!!

見事な白髪って変な表現ですが、すごく綺麗なんです。

 

 

そして、この章の最後を飾っていた(と思う)作品。

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≪都会のダンス≫と≪田舎のダンス≫。

 

≪都会のダンス≫は、のちにユトリロの母となるシュザンヌ・ヴァラドン

のちに自身も画家として活躍したと説明にありました。

そして≪田舎のダンス≫は、のちにルノワールの生涯の伴侶となる

女性(アリーヌ・シャリゴ)だそうです。

 

この時代の画家たちの交流関係がもっと分かっていれば、もっと絵も

楽しめるのかもなぁ、などと思いつつ。

長くなりましたので、まずはここで。

 

 

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