展覧会

平安の秘仏展 その③

 現在、東京国立博物館で開催されている平安の秘仏展。

前回より、櫟野寺(らくやじ)からお越しくださっている皆さまを、

私が会場で書いたメモをもとにご紹介しております。

 

まずは、ざっくりと作りました会場内の図を。

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  9.薬師如来坐像

 

 動画がございました。

 

理想的な仏像の大きさをいう周丈六(しゅうじょうろく)を基準とする

像高約2mの大作。

穏やかな表現は都の仏師・定朝の作風を模範とする定朝様式に倣いますが

衣にしのぎ立ったヒダを交える表現が独特で16.とも共通、とのこと。

 

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 はて、”しのぎ立つ”とは??

”しのぎ”は鎬という漢字であるならば、刀の一部分の名前のようなんですが。

Wikipediaから画像をお借りしました。

 

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 17番が”鎬”というそうで。

で??

なんだろうなぁ、盛り上がった、みたいな???

どなたか意味がお分かりでしたら教えてくださいませ。

 

この薬師如来坐像は、ご本尊(十一面観音菩薩像)の真後ろに展示されて

いらっしゃいまして。

なにせ、その台座・光背も含めると5mを越えてるご本尊様なので。

普通、2.2mの薬師如来坐像を見たらビックリすると思うのに、

ああ、今まで見てきた皆さんよりは大きいな、という感じに捉えていた

自分の感覚。今、冷静に思うと完全に間違ってたな、と。

 

こちらのページの写真をクリックしていただければ、私の当時の感覚が

ちょっとお分かりいただけるかも??

特別展「平安の秘仏―滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち」 | 取材レポート | 美術館・博物館・イベント・展覧会 [インターネットミュージアム]

 

 

10観音菩薩立像

 衣の襞が省略されるものの、長身の体形は7,8にもみられる

典型的な甲賀様式の特色。

肉づきがよく下ぶくれの顔に太い鼻といった特徴は本尊の1とよく似ており

その系譜にある重要な作品といえるでしょう、とのこと。

 

11観音菩薩立像

大きさは異なるものの伏し目でやさしい表情や宝冠をのせる天冠台

てんかんだい)の意匠、着衣の表現が12,13と共通。

寺では様々な大きさの仏像がつくられていたことが分かります、と。

 

えー、私のメモにはタレ目で可愛らしい、と失礼なことが。

でも、本当に愛らしい、こちらもつられて優しい表情になりそうな感じの

ほとけさまでした。

 

12観音菩薩立像

両肩から先を失いますが、細身で長身の美しい姿。

宝冠を載せる天冠台につく花形装飾は当時の流行で、華やかさを醸します。

像の前後で割って内刳り(うちぐり)を施すのは一木造(いちぼくづくり)の

像が多い寺のなかでは珍しく進んだ技法、とのこと。

 

 なるほど、内刳りの方が新しい技術なんですね。

 

 13観音菩薩立像

胸元につける条帛(じょうはく)という帯の先端が、腰にまとう裙(くん)の

輪郭につながるという独特の意匠が11,12と共通しています。

衣の襞が省略されるなど少し雰囲気は異なりますが、同じ工房で制作されたと

考えられます、と。

 

私が、ササッと絵が描けたらどんな感じがお見せできるのに。

 

あ!このページの写真をクリックして拡大していただければ!

http://www.museum.or.jp/modules/topics/?action=viewphoto&id=867&c=4

 

一番右が12のほとけさまです。

そこから左へ13,14,15と並んでいらっしゃいます。

 

14観音菩薩立像

 一材から全身を彫りだす古式な技法を用いながら、穏やかな顔に浅く刻まれた

衣の襞や背中を引いた姿勢は12世紀ごろの特色を示す。

天冠台の上面に小さな穴があるため、本来は十一面観音としてつくられたので

しょう、と。

 

15十一面観音菩薩立像

現在は失われていますが頭頂に頭上面(ずじょうめん)が付いていた痕跡が

あるので十一面観音であることがわかります。

着衣形式や鼻筋が太く口元が広い顔の特徴が14と酷似するため、両像は

同じ作者の手によると推測されます。

 

確かに、腰のくびれのラインが似ているかも。 

 

と、少し長くなりましたので今回はこのへんで。

次回は、いよいよ最終回でございます。