現在、すみだ北斎美術館で開催中の【大ダルマ制作200年記念 パフォーマー☆北斎~江戸と名古屋を駆ける~】展。
今回この企画展に合わせ、新しい試みにチャレンジするイベントが実施されます。
葛飾北斎が大ダルマを描いたパフォーマンスを、この時代に行ったらどうなるのか?
前代未聞の画業に、いま最も注目を集めるアーティストの一人、山口晃が挑みます。
山口晃画伯のファンである知人に、こんな企画があるから見に行かない?と誘われ昨日行って参りました。
開催時間は11時~16時予定、と。
それを読み、てっきり16時近くまで描くのかと大きく勘違い。さすがに5時間通して描き続けることはないだろうから、途中休憩も挟んだりするのかな、とか。あまり早く行っても全体像が出来上がってないかな、とか。
甘かった。それは、甘かった。というか、全然勘違いしていました。
山口画伯が大ダルマを描いたのは北斎美術館ではなく、そこから少し歩いた所にあるYKK60ビル1階のアトリウム。
12時ごろビルに入り、スタッフの方から「パフォーマンスの撮影は禁止です」と。
ああぁ、そうなのか残念。動く山口画伯を撮影したかったけれど。でもまぁ、たしかに気が散るだろうし。
壁には巨大スクリーン。
そこには大ダルマが、どどーんと映し出されていました。
「あ、れ?もう終わってる??」と一瞬勘違いするほど、かなり描き上がっていまして。ほどなくダルマの上を歩いてる人の姿が見えて、あ、山口画伯!と。
テレビで拝見したことは会っても、実際にお目にかかるというか、一方的にお目にかかるのは初めてなものでドキドキ。
スクリーンの前に用意された椅子に座って見るもよし、会場内に入って見るもよし、ということでしたが、やはりここはせっかくなので会場へ。
会場の両サイドに観客用の見学場所が設けられ、真ん中には大きな大きな白い布が広げられていました。
といっても、最初は紙なのかと思っておりました。だって、その、北斎は紙に描いてたし、とか言い訳。人様の頭越しによくよく見てみたら布でありました。
あれだけ大きな布を用意するのも大変そうだなぁ。あと、ホチキス?みたいなもので布を板に止めてるのも見えたのですが、そんなに止めてる部分が見えなくて。はて、一体どうやって布を固定していたのかしら???
会場内は無音なのかと思いきや、お囃子?のような軽快な音楽が流れておりました。
実際に北斎が大ダルマを描いたのは本願寺名古屋別院の境内だったそうで。
公式ホームページに、境内のどこで描いたのかイラストが載っていました。
今回、山口画伯が描いたのは約13メートル✕約9メートルとのこと。
北斎の描いたものより一回り小さく、自分は全体像が見えるモニターを使ったり、恐らく北斎は昔の人だから背もそんなに大きくはなかったと思うので、描くのは大変だったと思う、的なことを描き終えた山口画伯が仰ってました。
今回は約2時間半かけて完成とのことでしたが、ご本人はもう少し早く描き上げるつもりだったそうです。
描いている途中に屈伸されたかと思うと、上にピョンピョンと飛び上がって絵の出来上がり具合を見てます的な仕草をしてみたり、最後の漢字を書き入れるところで「あ~やってしまった」みたいに手を頭に添えてみたり、と観客を笑わせることも忘れない画伯。
知人によると手伝ってくださる方々には「◯◯お願いします」など終始丁寧に指示をされていた、と感激していました。
絵が完成したところで、写真撮影オッケーとのこと!
迫力。
使った道具類をパチリ。
筆の種類も色々用意されてたんですね、白いのはスポンジだったのか!!と。
墨の入ったバケツには1~3まで数字が振られていましたが、濃度が違う、のかな?
箒も使った感じですね、どこで使ったのかなぁ。
動画撮影されていたから、いつか公開してもらえないかしら。
完成後、上から絵をみせていただけたのですが、そこにいらしたスタッフの方によると、前日にリハーサルを行ったときは、もう少し時間がかかった、とのこと。うわー、2日続けて……。お疲れ様でございました。
画伯の持つ筆や、墨の入ったバケツを運搬されていた3人の男性の方々も中腰になったり、線を踏まないように移動したり、さぞや大変だったのでは……。
大きくて、デジカメの画面に入り切らない……。
写真の左端に山口画伯の姿。
パフォーマンス終了後、かなり長い時間みなさんにサインや写真撮影、握手、会話をされていました。その姿も素敵で。知人と感動して帰って来ました。
出来上がった作品は、パフォーマンスをしたYKK60ビルにて10月16~22日まで無料で公開されるとのこと。
【イベント】「大ダルマ制作200年記念 パフォーマー☆北斎~江戸と名古屋を駆ける~」のパフォーマンスは終了致しました。 作品はYKKビル60でご覧いただけます。 pic.twitter.com/Q3wUFraozC
— すみだ北斎美術館 (@HokusaiMuseum) 2017年10月14日
せっかくだから、吊り下げられた状態も見たいと思う今日この頃です。
それにしても、またとない面白い企画に立ち会えて楽しかったです。
企画してくださった方々、山口画伯、そして誘ってくれた知人にも、ありがとうございます!