ウフィツィ美術館 PR

ウフィツィ美術館展―黄金のルネサンス ボッティチェリからブロンヅィーノまで―

※ 記事内に商品プロモーションを含んでいます

2014年12月14日(日)まで上野・東京都美術館で開催されていた『ウフィツィ美術館展』へ行って参りました。

って、本当はこの記事を昨年11月に書きかけのまま放置してしまったという。せっかく途中まで書いたので、記事を完成させようと思います。

色々と素敵な作品がありましたが、なかでもボッティチェリの作品を同時に9点見ることができる、というのが何とも贅沢というか。

公式ホームページでは展覧会サポーターの山田五郎さんによる動画も公開されており珍しく事前に見ていたため、なるほど、そうゆうことか!という点が多々ありました。

公式チョイ見せガイド~よくわかるウフィツィ美術館展①

ルネサンスの頃のイタリアの画家は、あだ名で呼ばれることが多い、と。ほお~。

確かに、作品リストにも 「ドメニコ・ギルランダイオ(本名ドメニコ・ビゴルディ)」というように記載がありました。この動画ではギルランダイオの≪聖ヤコブス、聖ステファヌス、聖ペテロ≫についても触れられています。

今回の展覧会のために修復した、とのこと。とても色が鮮やかだったのは、お化粧直しをしたからだったんですね。ちなみに、こちらの作品はウフィツィ美術館ではなくアカデミア美術館蔵とのこと。

かなり大きな作品なのは、こちらの動画でお分かりいただけるかも。

美術の授業で、油絵1枚(確か8号サイズぐらい)でも仕上げるのに苦労して、美術部の子に頼み込んで手伝ってもらったら、先生にバレバレだったことを思うと本当に画家の人って、すごいな、と。

他に、私が第1章で気になったものを挙げていきますと。

フィリッポ・リッピ ≪受胎告知のマリア、大修道院長聖アントニウス≫と、同じくフィリッポ・リッピ≪大天使ガブリエル、洗礼者聖ヨハネ≫

板に書かれてるとは思えないぐらい、綺麗な作品でした。

縦長なのは珍しいな、と思ったのですが、教会のどこかの飾りだったと説明書きにあったような、なかったような。あぁ、図録購入すれば良かった。

バルトロメオ・ディ・ジョヴァンニ≪湖に落ちたプラキドゥスの救出≫

2人とも聖ベネディクトゥスのお弟子さんだそうで、一人のお弟子さんが溺れてるのを察した聖ベネディクトゥスが、もう一人のお弟子さんを救出に向かわせた場面、らしいです。

水の上を歩き、かつ溺れた人のフードを掴んで救出する、というこの衝撃的なシーンに思わず釘づけ。

サンドロ・ボッティチェリ≪ロッジャの聖母≫

ロッジャとは、絵の奥に見える回廊のことだそうで。

この絵は後世に加筆され、あまりボッティチェリらしくないということですが、珍しいのは額が当時のオリジナルのまま、とのこと。そんなこともあるのですねぇ。

額の上の半円形部分にハトが描かれております。真正面からのハトって珍しいような??

そうそう、このあたりの展示から一気に額が豪華になった記憶が。なんだか、いっきに華やいだ雰囲気。

フィリッピーノ・リッピに帰属≪老人の肖像≫は、質素ながらも好きな絵だったなぁ。

いつの時代でも流行というのはあるようで、15世紀のフィレンツェで好評だった構図がボッティチェリの≪聖母子と天使≫に使われているそうです。

マリア様と横顔のイエス様、そして幼子を支える天使の構図。

もともとは、ボッティチェリのお師匠さんであるフィリッポ・リッピが生み出した構図とか。

≪聖母子、洗礼者聖ヨハネ、大天使ミカエルとガブリエル≫

地下一階展示エリアの最後の絵だったと記憶しています。

あまりにも美しく、豪華で、何度も絵を見に戻ってしまいました。瞳があまりにも美しくて、吸い込まれそうな感じ。パラティーナ美術館所蔵だからなのか、グッズが一つもなかったのが至極無念。

さて1階の展示室へ移動しますと、そこに公式チョイ見せガイド②でも紹介された

ボッティチェリの≪パラスとケンタウロス≫が。

「古代ギリシャローマの文化が再生された=ルネサンスと言われているけれども、この時代、まだ力が強く、お金を持っていたキリスト教会。中世以来続いてきたヨーロッパのキリスト教的文化と、古代ギリシャローマが融合していくこれがルネサンスの本当の意味だ」と山田さん。

ここの展示室の壁紙が素敵で、本当に この絵に合ってるなぁ、と。

地下から1階の展示室へ足を踏み入れた瞬間、あぁ、素敵な空間だなぁと感じたのはこの壁紙との影響が大きいんじゃないかな、と。あと、ここの天井の高さも好きです(なんじゃそりゃ)。

公式チョイ見せガイド③

ボッティチェリの絵に見られる女性の特徴についてが面白かったです。

ボッティチェリの作風が変わったキッカケなどについて語られています。もうねぇ、本当にねぇ、もし私がボッティチェリと同時代に生きていたら、彼の肩を揺さぶり「お願いだから、前の作風に戻ってください。あの素敵なグレーの瞳の女神を描いてください」と懇願してしまいそうです。

今回展示されていた作品だけのイメージですが、どうも作風が変わってからは、瞳が生き生きしていない、というか。作風が変わった訳だから当然と言えば、当然なのですが、、、

≪パラスとケンタウロス≫の手前に、作風が変わったあとの絵が展示されていましたが説明がなければ、とても同じ人の作品とは思わなかっただろうなぁ、と。

そういえば、≪パラスとケンタウロス≫の作品の前で見知らぬ女性たちが会話をしておりまして。「なんか、この絵って悪さした旦那さんを叱っている奥さんにしか見えなくて」と。

ええ、ひっそり笑ってしまいました。確かに、そう見えますね。

公式チョイ見せガイド④

この動画では、ブロンヅィーノと工房によるメディチ家当主の肖像画について語られています。

左 : ロレンツォ・イル・マニフィコ

右 : ジュリアーノ(ディ・ピエロ)デ・メディチ ロレンツォの弟だそうです。

左 : コジモ1世。日本の俳優さんに似てると思ったのは私だけでしょうか。それにしても凛々しい方で、私はこの方が一番好きです(なんの告白??)

右 : フランチェスコ1世 コジモ1世の後継者で、ウフィツィ美術館の原形を作った人とのこと。

1560年、のちに初代トスカーナ大公になるコジモ1世が、画家でもあり建築家でもあったヴァザーリに命じて建てた建物が、のちにウフィティ美術館になった、と。

肖像画、と聞くと大きなものを想像しますが(私だけですかねぇ。ましてや、メディチ家のご当主様たちの肖像画だし大きいのかな、と勝手に想像)実際は、A5サイズぐらい??でしょうか。

作品保護のため、照明が暗くなっているので本来の色合いが少々分かりづらいですがケースをグルグルと何周もして見てしまうほど、なんだか引き寄せられる作品たちでした。

公式チョイ見せガイド⑤ではジョルジョ・ヴァザーリの≪無原罪の御宿りの寓意≫という作品について触れられています。

ヴァザーリは画家であり、建築家である、そして『芸術家列伝』という本も書いたほど文章を書くことにも優れていた、と。やあねぇ、なんでも出来ちゃって。ルネサンス期の人たちって、なんだかスーパー偉人が多すぎますよねぇ。

日本の平安時代とルネサンス期の人たちって、何か人間じゃない気がする(こらこら)。

山田さん曰く「ヴァザーリという人は生前のミケランジェロとも非常に親しく、ローマに行ってラファエロの作品も凄くよく研究している人であり、ラファエロ的な優雅な表現、ミケランジェロ的な力強さの表現がキッチリ入っているけれども、両者にない、妙なゴチャゴチャ感。しかしながらバロック様式を先取りしているようでもある」といった趣旨の説明をされてました。

この構図も大人気だったようで、色々な人がこの構図をマネしたと説明文にありました。

現在でも、人気の構図ってあるんでしょうかねぇ。色々な表現方法が確立しているので、人気の構図って想像しにくいのですが。。。いや、私の素人考えです、はい。

あ。書き忘れるところでした、2章で展示されていたフラ・バルトロメオによる≪アレクサンドリアの聖女カタリナ≫可愛かったなぁ。

画像は、こちらを参照くださいませ

同じ人の≪エッケ・ホモ(この人を見よ)≫という作品のイエス様は、もうそれはそれは少女漫画にでてくるようなカッコいいイケメンに描かれておりました。

ドメリコ・プーリゴの≪ピエトロ・カルネセッキの肖像≫。

ヴァザーリによるとカルネセッキくんは「大変な美少年」とのこと。ほうほう、なるほど。

画像は、こちらを参照くださいませ

最後に、展覧会紹介の動画を

今年2015年3/21(土・祝)~6/28(日) Bunkamuraザ・ミュージアムで

『ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美』という展示があるそうですね。これまた愉しみであります。