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《よみがえれ!シーボルトの日本博物館展》

※ 記事内に商品プロモーションを含んでいます

 

江戸東京博物館で開催中の《よみがえれ!シーボルトの日本博物館展》。

前回は、展示内容ではなくシーボルトさんについて延々思ったことを並べておりましたが。

今回は展示内容について、ええ、今度こそ。

 

まずは、購入した図録。

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こちらは図録兼書籍ということで、会場で買い忘れてしまっても、やっぱり買えばよかった!!と思っても本屋さんで購入出るので安心。

 

それから絵はがきを購入。

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シーボルトさんの写真をもとに作成された肖像画とのこと。
ちょっと目が笑ってる感じがして好きな一枚です。

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《菱繁牡丹文段替蒔絵食籠(じきろう)》

料理や菓子を入れるものだそうで。高さ37.2センチ。大きい。
そして、普通なら段ごとに模様を替えたらゴチャゴチャしそうなのになんだかおかしくないという。この取り合わせの妙。

この食籠が展示されている個所は、もうどれも見事な、そしてちょっと度肝を抜かれるようなお弁当箱とか魚形蓋物とか、ここまでやりますか!というものが多くて楽しかったです。

あと煙草入れに使われていた長崎製漆器に特有だという”伏彩色螺鈿技法”というのが美しかった!!七色に光輝く煙草入れ!!
海外輸出向けに作られたそうですが、いやぁ、これは喜ばれたのでは??

漆工芸は、シーボルトさんの収集品の中でもかなりの割合をしめていると図録に書いてありました。
素材や技術の違いを理解し、様々なものを集めようとしていた、と。

うぐっ、私は全然違いが分からない。

あと、江戸時代後期には緑色の漆器が流行していた、と。
面白い、なぜ、緑色。
ただ、展示を見たとき私はハッキリとは緑色と認識できなくて。
図録を見て、そうか、ここが緑色なのね、と。

そうそう、違いと言えば法螺貝が展示されていまして。
法螺貝って戦陣用と修験用に分類されるそうで、今回展示されているのは戦陣用とのこと。とほほ、これも違いが分からない。

そうそう、もう1枚購入した絵はがきに突如話を戻しますが。

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下に描かれている葉っぱの描写も好きです。
正確に描けるって素晴らしい。

f:id:usakamedon:20160919211718j:plainWikipediaより

おたきさんの肖像画も展示されていました。
OTAKSAという表記。
熊吉さんと思われる使用人の肖像がKOMAKIと表記されていたり。
シーボルトさんの発音が、こんな感じだったのかな、と一人妄想。

宗教に関するコーナーでは、個人的には「あ、これ日本のもの?」と思った品々もありました。
といっても、仏像や香炉に詳しいわけではないのですが。
なんというか、お顔の感じが……ですが正真正銘、室町時代や江戸時代のもの。
失礼しました。

このコーナーでは《僧形座像》が一番驚きました。
生きてるんじゃないかと思うぐらいの、何かを発していました。
(何かって??)

好きなのは麒麟香炉。
一見すると馬??とも思うほどのスラっとした手足。
ちょいと片側の前足だけあげているのも、いと可愛らしく。
あんぐり開けた口から煙がでる仕組みだったとか。

なんとまぁ、こんなものまで!と思ったのが《歯磨き粉》。
江戸時代、歯磨き粉売りの浮世絵まであったという記述をどこかで読みましたが、シーボルトさんも売り子さん見たのかなぁ。

それから《江州伊吹山産もぐさ》。昔から有名とは聞いていましたが、そうか江戸時代でも有名だったんですね。

それから《清神丸》という胃薬までありまして。
胃薬だけど、立ちくらみ、虫歯、気付けなどなど24種の効能!
1ミリほどの小粒な丸薬ながら万能!
(ただし展示では薬の実物展示はなく、外袋と携帯用の瓶が展示されていました)

玩具では麦わら細工の”がらがら”や”鼠”が。麦わら細工って初めて知りました。
壊れずに良く残っているなぁ、と感心。
麦わら細工で作られた《石畳文小箱》の上品な輝きが、まさか大麦の茎で作られているとは。うむむ

自分のご先祖様が作ったものを、「ほらほら、これいいでしょ?」ってシーボルトさんから紹介されている気分でした。
そう、シーボルトさんを通じて日本を知るという。
というか、日本って私の知らない国なんじゃないかと錯覚しかけました。

あと見事すぎて唸ったのが刺繍。
どうやったら、あんなにも盛り上がるんでしょうか?幾重にも糸を重ねる??
そして、目の細かさ!江戸時代の人たちの視力と技量に感服、眼福。
刺繍も、着物自体も色鮮やかに残っていて大切に保管されているんだなぁ、と。

長崎くんちの衣装にいたっては、もう、その煌びやかさに目がくらみそう。
裕福な家のお子さんが着用したということですが。
いやぁ、当時の様子見てみたいなぁ。

最後の方は、結構地図の展示がありまして。

武蔵国全図という地図は、その細かさに単眼鏡が欲しくなりました。
この地図を作った人の根気を見習いたい。

一番好きなのは《蝦夷松前一円図》。

地図がどうこうというよりも(すみません)、地図の周りの余白にアイヌ語集があるところが好きでして。
一から十の数字から始まり、春夏秋冬、十二か月(一月だけ正月となっていたのが面白かったです)、今日、明日、一昨日、朝、夕、そこから自然現象(雷とか)家族の呼び方(父、母など)、最後は体の部位(耳、唇、口など)。

そうそう、言語を習う時はまずここからなんだなぁ、と訳の分からない納得と感心。

あとは安定の可愛さ、根付。

私は《臥猪》が好きです。寝てる姿。くっ、可愛い。

《烏天狗》は図録でその精巧な作りを確認。
私の視力では確認できないほど細かかった。

とまぁ、脈絡もなく好きな品をあげさせていただきました。

本当は他にも色々あるけれど、きりがないのでこの辺で。

前回も描きましたが、まさに公式ホームページの《タイムカプセル》という言葉がぴったりな展示内容でした。
建物も再現して、その中に飾ったら完全にタイムスリップした気分を味わえそう。
何度も書きますが、よくぞここまで収集したなぁ、と。

シーボルトさんの立場だからこそ入手できた品もあったでしょうし、そうすると当時の人々が日常見ていたものとは、少し違う景色だろうけれど。

けれども、シーボルトさんが見た日本の雰囲気を味わえる感じがしました。
ヨーロッパに日本を紹介するつもりで集めた品々が、まさか、後世の日本人に、昔の日本の姿を見せる役割までも担うとは、さすがのシーボルトさんも思わなかったに違いない!?

いろんな考え方、感じ方はあるとは思いますが、ただこれだけのものが散逸せずまとまって残ったことが凄いと思います。

そして。

さまざまな分野の収集品から、今回どの品を展示するかピックアップする作業はさぞや大変だったのではないかと勝手に思いつつ。
また、じっくり図録を読もうと思う今日この頃です。