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大英博物館展 100のモノが語る世界の歴史 ①

※ 記事内に商品プロモーションを含んでいます

昨日4/18から上野・東京都美術館で始まった

『大英博物館展 100のモノが語る世界の歴史』展。

グッズ編は、こちらに

usakameartsandcinemas.hatenablog.com

昨日、”大英博物館展ナイト”という企画があり、閉室後に展示を見ることができました。

写真撮影も1点を除いて可能、イヤホンガイドも無料で貸していただける、という大変に嬉しい企画。

ブログやSNS利用者を対象に、こうゆう企画があることは知っていたのですが私自身、今回が初参加するということで興奮ぎみ。

会場入口左側には、高さ約110cmの『ルイス島のチェス駒』特大レプリカが

映画『ハリー・ポッター』1作目にも出てきた、この駒の本物が見られるのも愉しみ。

まずは、学芸員の方によるミニレクチャー。

東京都美術館で大英博物館展を開催するのは2003年の『大英博物館の至宝』展以来12年ぶりとのこと。

大英博物館は、1人の医師による約8万点のコレクションから始まり、なんと現在は約700万点もの収蔵品があるそうで。1人で8万点というスタートも凄いけれど、約700万点も保管・管理するのは、さぞかし大変でしょうねぇ。。。

閑話休題。

今回の展示テーマは”200万年の人類の歩みを100の作品で辿る”とのこと。

一体どんな100点なのか、ドキドキしつつ会場に入りました。

※なお、会場内の画像は主催者の方の許可を得て撮影したものです。

エピローグを抜けると、まず第1章 創造の芽生え。

≪オルドヴァイ渓谷の礫石器≫ 

200万―180万年前 タンザニア/オルドヴァイ渓谷 大英博物館蔵

こちらは大英博物館の所蔵品の中で最古のモノだそうです。

その日の食事すら、ままならなかったであろう日々。石を使おう、そうだもっと改良しよう!と試行錯誤したであろう我々の大祖先たち。その頑張りがなかったら、今の私たちは居なかったのかもしれないなぁ、と

のっけからしみじみ。

第1章には、他にも≪クローヴィスの槍先≫、≪アボリジニの編み籠≫といった展示があり人類が各地に広がっていく様子がモノを通じて感じられるようになっていました。

書き忘れるところでしたが、展示は8章で構成され、各章ごとに大きな世界地図

そして、展示物がどの時代のものか分かるように年表が。

地理に加え、歴史にもダメダメぶりを発揮する私としては大変助かりました。

第2章 都市の誕生で、一番興奮したのが

≪ウルのスタンダード≫

紀元前2500年頃 イラク 大英博物館蔵

教科書に載っていたのを覚えてましたが、まさか数十年後に実物を見られるとは。しかも、イギリスへ行かずして上野で見られるとは。

上が”戦争”面、下が”平和”面だそうで、両サイドにも模様が。

私の勝手な想像以上に小さく、精巧で、ラピスラズリの色が美しい品でした。

≪メソポタミアの大洪水伝説を語る粘土板≫

紀元前700―前600 イラク 大英博物館蔵

縦15.2cm、横13センチにビッチリと刻まれた楔形文字。

モノから色んなことが読みとけ、生活の一端が垣間見えるというのも凄いですが。やはり文字の出現って、とてもインパクトがあるな、と感じました。重要なことを残したい、という当時の想い、気迫が詰まっているような。

第3章 古代帝国の出現

≪タハルコ王のシャブティ≫

紀元前664年 スーダン 大英博物館蔵

シャブティというのは、死後の世界で故人をお手伝いするために一緒に埋葬されるものとか。

この子の首の傾げ具合が「何かお手伝いしましょうか?」と問いかけているように見えてしまって、なんとも可愛らしいのであります。

この章には、あのレプリカが展示されておりました。

≪ロゼッタ・ストーン≫ ※今回の展示は複製です

紀元前196年 エジプト/エル・ラシード 大英博物館蔵

先ほどの楔形文字と言い、このロゼッタ・ストーンと言い、よくぞ解読できたなぁ、と。このロゼッタ・ストーンには3種類の文字が書かれているそうですが、みずからの王位継承の正当性をエジプトの人民へアピールするために3種類の文字が刻まれたとか。

もし、王様がそのようなアピールをする必要のない王様だったら、作る必要がなかった訳で。

すると、ヒエログリフは未だに解読されていなかったかもしれなくて。いやぁ、モノが本当の姿を物語るまでには、色んな偶然もあるものだなぁ、とか。と、このペースで進めますと終わりそうにないので一気に6章 技術と芸術の革新へ。

≪ルイス島のチェス駒≫

1150-1200年 イギリス/ルイス島 おそらくノルウェーで製作

大英博物館蔵

興奮しすぎて、正面からの写真が全て恐ろしいほどに手ブレしておりました。残念。この駒の中では、クィーンの駒だけが東京都美術館2度目の登場とか。

この中で一番大きなキングの駒が高さ約10cmあるとか。

想像していたよりも、大きくガッシリとした造りに感じられました。一部の駒には赤い塗料が残っていることから、駒の色は現在の駒と違って赤と白だったのではないか、と。そうすると、チェス盤も展示のように赤と白だったのでしょうかねぇ。椅子まで細やかな模様が彫られていて、見ていて楽しかったです。

ゲームの展開に満足いかなくて、駒に八つ当たりしちゃった人とかいたのかしら、まさか、それて女王様の冠が欠けちゃったりして?!なんてことまで妄想しつつ。

大英博物館で、もっと沢山の駒をみてみたいものです。

≪デューラ―作 「犀(さい)」≫

1515年 ドイツ/ニュルンベルク 大英博物館蔵

アルブレヒト・デューラーはサイを一度も見たことがないながらも、サイの説明とスケッチを元に描いたというこの作品。

まるで甲冑を着ているようだなぁ、と思ったのですが。でも、うん、確かに言われてみればサイだな、と納得してしまう不思議さ。いかついながらも、どこかに可愛らしさを秘めている気がして、思わず売店で絵はがきも購入してしまいました。

第7章 大航海時代と新たな出会い

≪柿右衛門の象≫

1650-1700年 日本 大英博物館蔵

この後ろ姿が!!キュートすぎませんか?この角度で写真撮ってたの、なんだか私だけだったような気もするけれど、きっと気のせいですよね。

高さ35cm、幅42cm、奥行14cm。

よくぞここまで壊れず(恐らく、修復箇所はあるのでしょうが、大きく壊れず)に里帰りしてきたねぇ。大切にされたんだねぇ、と勝手に想像。

映画『ナイト・ミュージアム エジプト王の秘密』では大英博物館も登場するのですがこの柿右衛門の象の姿もあった、、、気がします。

すみません、映画観たんですけど青いカバがいる~!!って喜んだ記憶はあるんですが。はい、すみません。

でも、登場しているそうです。学芸員の方が仰ってたから間違いなし。

 

展示の中に、金貨、紙幣、そして最後の章ではクレジットカードが。

こうして、つらつらと文章を書いているうちに、どうやらお金に関するモノが発明されると人間の世界というのは流れが大きく変わるものなのかな、と。

便利だけれど、互いの信頼がないと価値が保てないモノ。紙幣が生まれたものの、結局は信頼性が乏しくて使われなくなってしまったり。それが今や現物の貨幣が手元になくても、クレジットカードがあれば(あと残高さえあれば)買い物ができる時代で。一体、この先どんなモノが生まれていくんだろうか?

そして、もし300年後に同じ企画が行われたとしたら、私が生きていた時代には何が展示されることになるんだろうか?ということも考えてしまいました。

携帯電話をみて「えー、これを便利と思って使ってたんだ!!」とか言われてしまうんだろうか…などなど、展示を見終ったあとも色々と想像して楽しんでおります。

モノを通して人類を見つめるって、面白い視点だなと。過去を見て未来まで考えるという通常の展覧会とは違った面白い体験ができました。

ご興味がありましたら、ぜひお出かけくださいませ。

長くなりましたが、最後に1つだけ。

NHKラジオ第1で30回にわたり放送される≪モノが語る世界の歴史≫という番組。

2010年に英国BBCと大英博物館が共同制作しラジオで放送された番組を元にして、日本版を放送しているとのこと。

この展覧会で展示されている品が紹介されるこの番組、放送終了分はインターネットでも聞けるので、私も1つずつ聞いていきたいと思っています。