三井記念美術館で開催中の《松島 瑞巌寺と伊達政宗展》。
展示室1~4の途中まで進んでまいりました。
今回は展示室4の五大明王像からスタートしたいと思います。
Contents
展示室4
《五大明王像》
平安時代に延福寺として開創された現在の瑞巌寺。
その延福寺と同じころに五大堂も作られたそうで、そのご本尊が今回特別に公開されている五大明王像とのこと。
本来は33年に一度しか公開されない秘仏だそうで、前回の御開帳は2006年。つまり、次回は2039年。
ですが、東日本大震災復興を祈念し特別出品で五大堂の歴史上はじめての特別公開となったそうです。わざわざお越しいただきまして、ありがとうございます。
今回のチラシにもドドーンと。
はて、どれぐらいの大きさなのかしら?と。
三井記念美術館は、ものすごーーく天井が高いというイメージはないし基本的にガラスケース内に展示されているイメージがあるなぁ、と思いつつ展示室を見ますと。
おお、なるほど。
こういったら、すごく失礼ですが。
あくまでも大きさだけの話ですが、それはそれはコンパクトな大きさでした。
壁の一面に並べられた五大明王像。
説明にも
頬が張った丸顔で動きを抑えた穏やかな様相を呈するが眉や頬骨の盛り上がりなど細部を明瞭に表し、小ぶりながら堂々とした風格を見せている。
五大明王像の中でも古い平安時代に作られたものだそうです。
大きさはなくとも、その迫力は十分。
そして、ガラスケースに近いためじっくり拝見できるという。
一番左にいらした大威徳明王が乗っていらっしゃる水牛は、ガラスケースから出てるんじゃないかと思うぐらい近いです。それは大袈裟か。いや、でも実際かなり近いと思います。
ガラスケースにぶつからないよう、少し斜めに展示してあるからか余計にそう思えました。完全に目が合うぐらい近いです。
こちらのページに白黒写真と、像高が
ここで、展示前室(美術館入ってすぐのお部屋)にあった説明パネルと併せて、どんな配置で展示されていたかを書いておこうと思います。
⑤ ④ ③ ② ①
と並ばれてまして
① 金剛夜叉明王(北方に配される) | 堅く素晴らしい力をもって悪魔を蹴散らす。 |
② 降三世明王(ごうざんぜみょうおう)(東方に配される) | 三世(過去・現在・未来)にわたる三毒(貧・瞋・痴)を退治。 |
③ 不動明王(中央に配される) | 右手に煩悩を断つ宝剣、左手で迷いの衆生を捕縛する羂索(けんさく)を 持って背の迦楼羅炎(かるらえん)で煩悩をすべて焼ききってくれる。 |
④ 軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)(南方に配される) | 息災、増益を約束。 |
⑤ 大威徳明王(だいいとくみょうおう)(西方に配される) | 毒蛇、悪龍、怨敵を退治。 |
おそらく、本堂だとこうゆう配置になるのかな??と。
私のメモには”①と④の像は壺みたいなものに乗っている”とありまして。いやいや、壺ではないだろうと思いつつ。
正体不明なので、本日届いたこちらの本を見てみました。
金剛夜叉明王と軍荼利明王の足元にあるのは”踏割蓮華座(ふみわりれんげざ)”という名前だそうで。
壺って。壺って、どうなの。もっと良くみたら分かったのかな。
あと金剛夜叉明王のメモに”眼の下のふくらみぷっくら”という謎の言葉。
この本を読んで、謎が解けました。
眼の下のふくらみなんぞではなく、眼が4つあるという表現だったのに。知らないって恥ずかしい。お陰様で覚えることができました。
こちらの本は、見開き1ページで1像ずつ仏像を説明してくれます。
当たり前なんですが、持ち物1つ1つに名前があるんだな、とか
そもそも仏像の種類とは?など初心者にも分かりやすい内容で読みやすく、楽しいです。
絵葉書を購入したのですが、この明王像の後ろにあります火焔形光背(かえんぎょうこうはい)の彫りも見事でした。
どこも切れてないように見えたのですが、一体どうやって彫ったのか。
そして、不動明王像以外は手が何本もありまして、これを一木で作るってすごい技術だなぁ、と。
軍荼利明王の乗っている水牛の、どんぐり眼も可愛かった。目を丸くする、という言葉がピッタリ!と思いました。
秘仏にも可愛いという言葉を使うのもなんですが、これは是非実物をご覧いただければ、と私の気持ちもお分かり頂ける、かも?
ちょっと離れて全体をみて、近づいてまた一体一体じっくり、を数回繰り返し見させていただきました。
《不動明王三尊像》
五大明王像向って左側に展示されているのが 御前立尊(おまえだちそん)である
《不動明王三尊像》。 この三像も素晴らしかったなぁ。
こちらの絵葉書も購入しました。
各像とも一木割刳造(いちぼくわりはぎづくり)穏やかな作風でありながら二童子の静と動の対照的なポーズ
特に矜羯羅童子の現代彫刻にも通じるような愛らしい表現は注目に値する
正面から見ると光背が風になびいているかのように大きく右へ。ダイナミックな動きが美しかったなぁ。
横から見ると、かなりカーブしてる光背。その曲線の美しさ。
右側の矜羯羅童子の少しアヒル口も可愛かった。表情全体的にも可愛らしかった。愛おしいぐらい。この像を作ったのは、一体どんな人だったのか。
木材から、どうやったらこのような柔らかい童子の表情が彫り出せるのか。
私のザルのような記憶力でも、今後この矜羯羅童子の表情は忘れられないと思います。
与勇輝氏の作る人形のような、動き出しそうな表情でした。むしろ動いて欲しいと思うぐらいの。
対する制吒迦童子。
怒りの相を表すという通り、まさに怒ってる感じでした。
首に巻いた布(ちょっとスカーフっぽい)を左手で掴んでいるのですが、その仕草が特徴的というか。
この展覧会は展示替えがあるため、全部の展示を見たかったら3,4回は通う必要があるようでして。
せめて、せめて、あと1回は行こうと思っております。
というわけで長くなりましたので、この辺で。
あと2回ぐらいで終了する予定です。たぶん。
1章ずつ丁寧に書いておきたくなるぐらい、私にとっては魅力満載な展覧会であります。
《松島 瑞巌寺と伊達政宗展》 展示室2~展示室4の途中まで《 》《松島 瑞巌寺と伊達政宗展》 展示室5