恵比寿ガーデンプレイス内に映画館があるのは前々から知ってはいたものの。なかなか行く機会がなく。昨日、ようやく行って参りました。
すごく素敵なロビーと、ゆったりとした座席シートで。ここでまた映画を観てみたいなぁ、と思う映画館でした。
映画の内容が内容だったせいか、ポップコーンをポリポリほおばる人も居なくて本当にストレスフリーでした。
で、私が観た映画がこちら。
youtu.be英国で昨年開催された北斎展(Hokusai : Beyond the Great Wave)の紹介がメインかと勝手に想像していたら、様々な方へのインタビューを細切れに挟み、北斎の生涯と作品の紹介、少々展示の紹介という感じでした。
内容に詳しく触れている記事がこちらに。
最後に展示室を案内してくれた案内役の男性がカメラに向かって「どんなに4Kや8Kのカメラで作品を綺麗に映しても、美術鑑賞は実際に見るに勝ることはないでしょう。ぜひ、展覧会へおいでください」的なことを仰るんです。
行きたかったよー、行けるものなら。ぐすぐす
映画には辻邦生先生や、『北斎漫画』を約1500冊集めていらっしゃるという浦上満さん、北斎の『真鴨図』を一部模写を披露したMukai Daiske氏などなど日本人の方々も出演されていらっしゃいました。
ムカイダイスケさんって、向井大祐さんかしら。ちらりと所属にTokyoという字幕がでたような。
もし東京藝術大学の方なら、すみだ北斎美術館の展覧会でチャボのピーちゃんと共に『竜田川に紅葉の図』を再現した、あの向井さん??(説明が長い)
展覧会を企画されたのは大英博物館のキュレーターであるティム・クラーク氏と北斎の研究者であるロジャー・キース氏。
このお二人で、とある美術館(確かフリーア美術館だったと思うのですが)で開催された北斎展をみて感激し、いつか2人で北斎展をしようと思ったそうです。
研究者のキース氏が、とにかく北斎のことを語ると感無量な感じで何回も涙をこらえる様子が映っていました。すごいなぁ、時代も国籍も越え、こんなにも北斎のこと、彼の作品を愛し、尊敬している方がいらっしゃるんだなぁ、と。
それと”画狂老人”って”Old Man Crazy to Paint”と訳すのだなぁ、と。
そしたら、原題も”Hokusai : Old Man Crazy to Paint”だったようで。
絵を満足に描くどころか線一本満足に引けない私からしたら、6歳から亡くなるまで絵筆を離さなかったという北斎の生き様に、生活がかかっていたとはいえ、ただただ羨ましさを感じるし80歳になっても猫が満足に描けないって、いや、そんな訳ないのにその向上心の塊に羨ましさを越えて天才って大変だな、とか。
いつぞや、展覧会で北斎の絶筆と言われる『富士越龍図』を見たけれど。
そのときは、そんなに北斎の人生について知らなかったし(今も詳しいという訳ではないけれど)、そうか、これが最後の絵なのね、という冷静な目で見た記憶があるのですが。
次回、見る機会があったら絶対違う風に感じるだろうなぁ、と思う今日この頃です。