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木島櫻谷 Part1近代動物画の冒険展で購入した絵はがきについて

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現在、東京・泉屋博古館 分館で開催中の《木島櫻谷展》。

珍しく初日の2月24日に行きました。

昨年、なにかの展覧会の帰りに京都で開催される展覧会のチラシを入手しまして。

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ライオンの顔が目に飛び込んできた瞬間、竹内栖鳳かな?!と勘違い。木島櫻谷、知らなかったなぁ、いいなぁ、いいなぁ、と。

その後、日曜美術館で京都での展示の様子を紹介していて。東京でも開催されると知ったときから、大変大変楽しみにしておりました。

私が購入してきた絵はがきは

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『寒月』

斜めから見ると、何とも言えない青みがかってる感じで。展示ケースの前にあるソファにしばらく座り込んで、その不思議な世界に引き込まれておりました。

狐がアップになった絵はがきがあったら欲しかったのですが、無かったような?

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『熊鷲図屏風(右隻)』

熊のおしりが可愛い。なんか、ちょっと若い熊のようでもあり、なにか思いついたような表情にも見えたり。

帰宅してから気づいたのですが、作品リストによるとこの作品は3月20日からの展示予定だったようなのですが、前期にもありました。あれ、変わったのかな。

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『獅子図(部分)』

彼は何を見つめているのか、それとも何かを考えているのか。木島櫻谷の動物たちは、どこか人間ぽさもあるというか。

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写生帖より『犬』

生を写すとは、本当によく出来た言葉だな、と展覧会へ行くようになってからつくづく思うのですが。

犬の寝息が聞こえてきそうなほど。そんなに細かく描きこまれていないのに、この存在感。絵が描けるって本当に羨ましい。

現在確認されている木島櫻谷氏の写生帖は670冊を越えているとか。

木島氏が写生帖に自分の思いを告げた一文が説明パネルにありました。まさか後世の人々に自分の熱い想いを読まれるとは思わなかったのでは?!

写生帖には鹿、猫、鳩、むささびなどなど沢山の動物たちが。本物の羽毛が貼り付けられていたのですが、きれいな色を保っていました。

写生したものをすぐに作品にはせず、数年後に完成させることもあったそうです。

写生帖ではないのですが、絵はがき大の紙に猫が障子の陰から姿を現す絵がありまして。

その余白に小さな字で「コレ大事ニ残シテオイテ下サイトノコトデス」って。木島氏が書いたのか、それとも他の方なのか。いずれにしろ、ちゃんと大事に残ってますよー!!って心の中で叫んでおりました。

動物を写生するために動物園にも通っていたそうで、京都市の動物園が明治36年に開園する前は大阪博物場まで足を伸ばしていたとか!!

↓このホームページに、大阪博物場について記載がありました。

www.mydome.jp

博物場が廃止されるにあたり、動物たちは天王寺動物園へと移されたそうですが象だけは大きかったので深夜に町中を歩いて移動した、と。

この象はサーカス出身だったために、音楽がないと動きませんでした。そのため、鳴り物入りでの移動が行われ、沿道には大勢の見物人が繰出して賑やかだったといいます。

今では、それもできそうにないですよね。

あぁ、それを実際に見た方は一生忘れられない光景だろうなぁ。

閑話休題。

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『奔馬図』

”付立”という筆の側面を利用する技法で描かれたとか。どれもこれも写真が白っぽくなってしまっているのですが、実物はもっと繊細に墨の濃淡がでております。

ふと、東京藝術大学大学美術館で開催された雪村展でみた馬を思い出したのですが。

www.museum.or.jp

全然、違いました。

なぜ思い出したのか、自分。

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『葡萄栗鼠(部分)』

葉っぱや枝の描き方、色合いも好きでしたが。やはり、この栗鼠の表情が!

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幸せそうだなぁ。

実は、この展覧会の一週間ほど前に出光美術館で栗鼠と葡萄の取り合わせを見ていまして。

お皿に栗鼠と葡萄が描かれていて、私は栗鼠って葡萄食べるの?!という驚きの目で見てしまったのですが、どうやら栗鼠と葡萄はともに子孫繁栄を表す象徴だ、と。

知らなかったなぁ。

そして本物の栗鼠(生きている栗鼠)も葡萄は食べるようですね。

知らなかったなぁ。

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『角とぐ鹿』

あぁ、こちらも凄かった。

隣に下絵も展示されていたので、見比べつつ堪能。

この枝は描くのを止めたんだな、とか鹿の首の角度は色々と試行錯誤されたのかな、とか。よくぞ下絵も取っておいてくださった!と。

あと絵具の入ったトランクとかも展示してあって。

あと狸の絵も好きでした、大好きでした。木島氏は鹿、猪、そして狸も多く描かれ「狸の櫻谷」という異名をとるほどだった、と説明にありまして。残念ながら前期展示のみの『竹林老狸』は超絶私好みでした。木島氏の作品にしては珍しく余白が少ないそうで。確かに画面いっぱいにびっしりと細い竹が。その下にそっとこちらを見ている狸。

あぁ。もう一度見たい。けれど、個人蔵っぽいなぁ。しょんぼり。

そうそう、『寒月』ってどこかでなにか見たことが……とずーっと思っていたのですようやく謎が解けました!

友人が作ってくれたポーチが、まさに『寒月』だったんです。

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裏面は、こんな感じです。

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ポケットが2つあって、使いやすいんです。いいなぁ、モノが作れるって、としみじみ思う今日この頃です。