勝手に、ボストン美術展と思ってましたが正確には、ボストン美術館 日本美術の至宝 特別展だったようで。
でも、ちょっと名前が長いので勝手に”ボストン展”と呼ばせていただきます。
2012/06/10まで、上野の平成館で開催中のこの展覧会。
展覧会のホームページによりますと、
ボストン美術館は、作品保護の観点から作品の展示期間を厳しく制限しており、本展の開催にあたり、その出品作品のほとんどを、5年間にわたって公開を控えて準備をしてきました
す、すごい。
いったい、この展覧会の企画は何年前から話が持ちあがったのか?!
どうしても見たい作品があって、はるばるボストン美術館へ足を運んでも準備期間のために見られなかった作品があったということ?!
でもって、ボストン美術館長からのメッセージにはもっと長い長いご縁の話が
30年前、ボストン美術館の展覧会が日本で開催されました。ある屏風を目当てに、一人の若い学生が仙台から東京に足を運びました。
その学生が今や、本展覧会の共同キュレーターとなっています。彼は当時の展覧会を振り返り、特に感銘を受けたのが、12世紀の「吉備大臣入唐絵巻」だと語っています。
その絵巻を再び、その他数多くの貴重な美術品とともに送り出せることは当館にとって大きな喜びです。
そして30年前と同様、本展覧会が、日本美術を愛する新しい世代の心を動かすことを願ってやみません。
普段、あまり展覧会の趣旨や館長からのメッセージなど真面目に読んでいないのですが(おいおい)、今回たまたま足を止めて読み、ジーンときてしまいました。
色んな人の想いや、綿々と繋がっていく不思議な縁で作り上げられて1つの展覧会ができているんだなぁ。そして、また新たな縁が生まれるのかもしれないなぁ、と思ったのでした。
さて。
私は土曜日の開館10分ぐらい前に到着し、入館するや第2会場へ。
その理由は、今回のボストン美術館展で是非ゆっくり見たかった曽我蕭白の「雲龍図」、尾形光琳の「松島図屏風」。この2点が第2会場にあると聞いていたので。
第1会場から見ている方が多く(まぁ、普通そうですよね)ほぼ独り占め状態で、見ることができました。
あぁ、こんなにも素晴らしいものを一人で、こんなにじっくりと見ることができていいんだろうかと、訳のわからない申し訳なさを感じる始末。
素人の私が見ても、ハッとするほど美しい美術品たちが産まれた土地を離れていったのは残念だけれど日本にあっても、個人蔵だったら見られないわけで私自身は何もしていないのに、こうして一堂に見られる機会があったことを本当にありがたいなぁ、と。
そして、今回の展示で私が何よりも心惹かれたのは快慶作の弥勒菩薩立像。
菩薩様の両目が涙を湛えているようなそんな感じにみえて仕方なかったんです。一時帰国できた喜びなのか、それとも何かを憂いていらっしゃるのか。照明の光が当たって、そう見えたのか。それとも私のコンタクトが左右さかさまだったのか(いや、それはないですが)。
興味のある方は、ご自身の目で確かめに行ってきてくださいませ。ふふふ
吉備大臣入唐絵巻も、とても絵が細かくて表情豊かであぁ、もう一度じっくり見に行きたいなぁと、そんなことを思う今日この頃です。
グッズについては、こちらに書きました。