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メトロポリタン美術館 古代エジプト展 女王と女神②

※ 記事内に商品プロモーションを含んでいます

今回も、メトロポリタン美術館 古代エジプト展の話をば。

以前、テレビでみたビートたけしの超訳ルーヴルで紹介されたのと同じようなスプーンも見ることができました。

上がネズミ形、下が犬形の化粧皿とのこと。

展示は、この写真の向きでしたがカタログを見ると裏面にもネズミはネズミ、犬は犬の形に彫ってあるのが確認できました。

この犬、前足を組んでるのですが裏面から見ると重なっている足先は見えないようにつまり、ちゃんと組んでいるように彫ってあるのです。

あー、私の日本語が拙すぎて伝わらない・・・

材質は、どちらも”骨”とのこと。これを加工するのも時間かかっただろうなぁ・・・

『ビートたけしの超訳ルーヴル』でゲーム盤が紹介されていましたが、古代エジプト展でも別バージョンのゲーム盤・セネトゲームが展示されてました。盤面の表裏には別々のゲームが出来るようになっているとか。

すごいな、リバーシブル。

このゲーム盤も、独特なブルーの色合いでした。ターコイズというか、なんというか、もっとマットな感じのブルー。

カバ&ライオン&ワニ&人間の『呪術のための壺』と同じ展示ケースに入っていた『イシス神とホルス神の小像』とか『イシス神、ホルス神、ネフティス女神を表した護符』も、これまた独特なブルー。元の色なのか、経年によるものなのかは不明ですが。

サブタイトルに”女神”とついている通り、女神像も色々と展示されていて私が心奪われたのは

左 : 『牛の女神像の頭部』

頭部しかないのが残念!一体、どのような形で祀られていたのか。360度見られる展示なので、ぜひ、ぜひとも、彼女の右肩越しに彼女の横顔をご覧いただきたい!!ものすごく、綺麗な丸みの口元!!!

国宝大神社展で見た春日神鹿御正体(かすがしんろくみしょうたい)を思い出す、この口元の優しいフォルム!!!!!大興奮です。大神社展のチラシ(PDF)が、こちらに

2ページ目の右下に、小さく載っております鹿様。でもですね、もっともっとピッカピカでした!もっと神々しく輝いてましたー。展示のために綺麗にしたのか、写真が古いのかは不明。それにしても、国宝・大神社展について書いたとばっかり思っていたら書いて無くて。ちょっとショック・・・・・・。

それはさておき。

右 : 『牛の像がついた鉢』

こちらも同じく、特に口元のフォルムが。うっとり。。。

まぁ、それにしても大きなものから小さなものまで。古代エジプトの人たちの創作意欲には、毎度驚くしかございません。

左上 : 『ラムセス2世とイセトネフェルト王妃の名が記されたビーズ』

一瞬、ハリー・ポッターの”金のスニッチ”かと。羽が出るんじゃないかと。

右上 : 『タカラガイ形護符』

実際の大きさ、どれぐらいなのか。2センチぐらい??この小ささなのに両面に模様(片面はヒエログリフ)入れるとは。もしかしたら、米粒にもヒエログリフを書けるのでは。

別の場所に『ハエ形護符』もあって、ビックリ。

かもめアカデミーの中に遺物は語る~古代エジプト~という記事があり、その中にもハエについて書かれていました。

左下 : 『髪結いの道具』

ジャッカルがついております。キツネじゃなかった、失礼。髪結い、とは書いてあるものの実際の使い道は不明とか。

当時、女性ファッション誌みたいなのがあって、そのパピルスが残っていたらこの使い道やら、どんな化粧法をしていたかも、もっと詳しく分かるんでしょうねぇ。

右下 : 『カバの小像』

メトロポリタン美術館と言えば、青いカバ・ウィリアムくんが有名ですが。この子は白かったです。カバは”潜っては浮き上がるその習性から再生の象徴としても重宝された”と。

おそらく、近代からの展示はこれだけだったかと。

ハワード・カーターによる、ハトシェプスト女王祭殿 壁画レリーフの模写。

『ハトシェプスト女王の母イアフメス王妃』

本物は、もっと色に深みがあり釘づけになりました。

もう1つ模写が隣り合わせに展示されていて、そちらはカーターが最後まで手放さなかった1枚とも伝えられているそうです。こちらは、紫や薄いブルーも使われた美しい色合いの模写。

あくまで私の感想なのですが。

どちらの模写も、「溢れる喜びを抑えきれない」という感じがして仕方ありませんでした。自分の大好きなエジプトで、じっくり向き合って(と勝手に想像する私)模写したのではないかと。

どちらにも、ご本人の洒落たサインと1899という数字が入っており、ツタンカーメンの墓を発見する23年前のものなのね、と。模写を描いた当時は25歳かぁ。

Wikipediaによると17歳でエジプトに渡り、遺跡発掘現場のスケッチ担当になって。

ということは、エジプトで30年過ごし世紀の大発見、と。うーむ、、、

 

今回の展示、最後を飾るのは『アメン・ラー神の歌い手ヘネトタウィの人型内棺とミイラ板』

いかに時間と手間をかけ、この人のために造られたかが伝わってくる棺。こんなにも鮮やかに色が残ってることが不思議でしょうがない。(補修されている部分もあるとは思うけれど。。。)

隙間なく、でも、計算しつくされたかのように綺麗に配置された装飾。

アヌビス(黒い犬のような)と思われる首に、細いリボンが巻き付いていて、可愛らしかった。

外棺は今回展示されていなかったけれど、揃って展示されていたらそれはそれは見事だろうなぁ。この2つだけでも、長時間見てられるぐらいだから。

内棺の中に入っているのが”ミイラ板”と呼ばれるもので、下半分に網状の模様が描かれておりました。これは”ミイラを覆うためのビーズネット”とのこと。

ルーブル美術館のサイトで検索してみたところ、ミイラのビーズ製ネット装身具がヒット。

あ!この装身具のアヌビスも首に細いリボンしてるなぁ。

紀元前第1千年紀に入ってから、ミイラの一番外側の屍衣に、このような専用の装身具が付けられるようになった。来世の偉大な神々の象徴を、ビーズで編みこむことによって遺体が守られる、と信じられていた

今回の展示品は、そのビーズネットをミイラ板にも描きこんだ、ということでいいのかしら。

もしかして、”死者の書”も入っていたんでしょうかねぇ。だとしたら、相当豪華なバージョンだったかもしれませんね。

あちらへ行っても困らないように、無事に旅立てるように、と様々な心遣いをして送り出している古代エジプトの人々の姿を垣間見たような感じです。今まで、いくつか棺を見てきましたが今回の棺が一番記憶に残りそうです。

誤解のないように書いておきますと。

どれも心を込めて作られた棺、副葬品であると思っています。大切な人を亡くした哀しみと、これからの旅立ちの無事を願う気持ち。それを、美術品として綺麗だの、なんだの評価をするのは果たして・・・という想いはあります。

敬意を払いつつ、古代の人々の創意工夫と美意識を垣間見させてもらう、というそんなスタンスといいますか。って、誰に言い訳してるんでしょう私は。

美術館では、小さなお子様向けにイラストボードを貸し出すサービスがありまして。幼稚園ぐらいの男の子が、「これ(内棺&板)を描くんだ!!」と意気込んでました。

彼が、この展示品を理解するのは少し先になるとは思いますが、この複雑でありながら整然とした模様を真似たい!と感じさせるものがあるんだなぁ、と。

はー、、なんだって、こんなに色んなことを成し遂げてるんだろう。

本当に古代エジプトの人たちは人間なんだろうか??と毎度ながら良い意味での溜め息をつきつつ、会場をあとにしたのでありました。

そして、会場を出た先にある売店へ。

ポストカードと、なぜかキーホルダーを購入。

自称・クリアファイル好きな私としては、残念ながら・・・もうちょっと種類があればなー。ポストカードも、種類少なかったしなぁ。

オリジナルコラボグッズもありましたが、これまた残念ながら私には・・・

(ムリにコラボしないで、ポストカードとクリアファイルの種類を増やしてくれたら良かったのに。あ、すみません。心の奥の声が)

個人的には、カタログとジュニア版ガイドブックがおススメです。私のあとに観に行った家族は、読んでから行ったのでさらに愉しかった!と。

購入して安心し、いつか読もうと思って読んでないカタログたち。なんとかせねば・・・

会場内の売店を抜け、エレベーター脇にあったのが

>壮大なハトシェプスト女王葬祭殿をバックにして、スフィンクスと一緒に

>記念撮影できます。夏の思い出にぜひお立ち寄りくださいね。

~公式ホームページより~

さて、私の夏休みのレポート完成。

誰にも提出しないけれど。