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オルセー美術館展 印象派の誕生―描くことの自由―

※ 記事内に商品プロモーションを含んでいます

もしや今月末までだった?!と焦ったら、来月20日まで開催していることが判明したオルセー美術館展。

夏休みも終了したし、小雨降ってるし、もしかしたら少し空いてるかも!と甘い甘い期待を抱きつつ、先週日曜日に国立新美術館へ。

ま、甘いですよね。甘すぎました。とは言え、少し順番を待てば見られるし。

自分の好きな絵をみるために戻ってみたら、たまたま人の列が途切れたりしてのんびり見ることもできました。

展示は各章ごとに壁の色が違い、またその色が綺麗なこと。

【1章 マネ、新しい絵画】で、さっそく登場したのが

『笛を吹く少年』。

チラシに「世界一有名な少年、来日」と。

想像以上の大きさと、想像以上に絵の表面に凸凹がないことに驚きました。

美術館で配布されていた出展作品リストによりますと「奥行きを感じさせない絵具のぬり方などが批判され、サロンでは落選」と書いてありました。当時としては、この描き方が斬新に感じたということでしょうか。そうかぁ、個人的には好きだけどなぁ。

これ以前の絵画は、どのようなものが主流だったのかなどなど素人にも西洋美術史が

分かるような面白い本ないかしら。

以前、同じ方の『ルネサンスの巨匠たち』という本が面白かったから購入しようかな。

【2章 レアリスムの諸相】で、おそらく一番注目を浴びていたのが『晩鐘』

何故だか、この絵は大きいと思いこんでいたので55.5cm×66cmというサイズに勝手に驚きました。

柔らかな黄昏の光の中で祈る2人の姿。自分も、その2人の側に立って同じ光景を共有しているかのような感覚になりました。

『晩鐘』の手前にあった『落穂拾いの女たちの招集』も印象的でした。

ジュール・ブルトンという人の作品なのですが、とても写実的な感じ。

2003年に開催された「ミレー3大名画展」にも来日していたと、どこかで読んだような。『晩鐘』も、これぐらい大きなサイズだと勝手に思っていたという不思議。

そして、シャルル・ジャックの『羊の群れのいる風景』

この絵が私は好きで。

絵はがきも、全景&部分バージョンの2枚を購入してしまったほど。もう羊の質感が、羊としか言いようがなくて(なんじゃそりゃ)。

ギュスターヴ・カイユボットの『床に鉋(かんな)をかける人々』

木くずの質感が、木くずとしか言いようがなくて。息を吹きかけたら、絵から飛んで行ってしまいそうに感じるほど。鉋をかける前の木、かけた後の木の質感にも うっとり。

こちらも、全景&部分バージョンの絵はがきを2枚購入。

【3章 歴史画】でのお気にいりはオクターヴ・パンギイ・ラリドンの『星に導かれてベツレヘムに赴く羊飼いたち』。

山並みにあたる夕日や、光り輝く星、人物配置のバランスが好き。犬もいるし(そこ?)。

そういえば、羊の絵にも牧羊犬がいましてね。いつでも走りだせそうな格好でスタンバイしている姿が可愛いな、と。(私の好きな絵の基準は、犬がポイントなのか??)

【4章 裸体】

ここではアレクサンドル・カバネルの『ヴィーナスの誕生』の明るい色彩が印象的でした。

ナポレオン3世がお買い求めになったという、この絵。魅惑的なポーズで、もちっとした肌が艶めかしい。

薄目を開けているのですが、私には白目をむいているように見えてしまいなんとも申し訳ありません、という。天使の羽がブルーというのも珍しいなぁ。

【5章 印象派の風景】には、クロード・モネの『かささぎ』

インターネットの画像で見たときよりも、本物の方が何というか”ほんわか”したタッチで個人的には、ちょっと焦点があわない感じに思えてしまい。お好きな方も多いと思うので、はい、すみません。

私はアルフレッド・シスレーの作品が好きなようです。

『洪水のなかの小舟、ポール=マルリ―』

雪解けの水で川が氾濫した様子を描いていて、6連作の中の1点とか。

左:『ルーヴシエンヌの雪』

右:『雪 マルリ―=ル=ロワの農家の庭』

『ルーヴシエンヌの道』

モネの『アルジャントゥイユの船着場』も好き。

【6章 静物】

アンリ・ファンタン=ラトゥールの『花瓶のキク』。なぜ、わざわざ「キク」という表記なのかは不明であります。

画像だと、のっぺりした絵に見えてしまいますが。なんの、なんの。これは、ぜひ本物をご確認いただきたいと勝手に力説。そこに活けてあるのではないかと錯覚してしまうほど素敵な作品。

花瓶を描くときには、もう力尽きてしまったのか、それとも、わざとなのか(あえて、だと思いますが)花の緻密な描き方との対比が、これも個人的には面白いな、と感じた点でした。残念だなぁ、本当に素敵な絵なのに。もっといい画像ないかな。

【7章 肖像】

私が一番好きな章です。

あまり期待してなかったのに(失礼)、意外にもこの章が一番わくわくしました。

左:『ミラモン侯爵夫妻と子どもたちの肖像』 ジェームズ・ティソ

どの時代も、犬は大事な家族なんだな、と にんまり。

右上:『灰色と黒のアレンジメント第一番』 ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラー

年老いてきた自分の母親を描く機会は、もう今回しかないだろうと思って描いたという作品。どんな想いで母親はモデルをつとめ、どんな感想を言ったのかなどと妄想しながら見ておりました。

右下:『デュブール家の人々』 アンリ・ファンタン=ラトゥール

なぜ手袋をはめている瞬間を描いたのか、とか、みなさん不機嫌そうですね、とかどうでもいい感想は置いといて。

146.5cm×170.5cmという絵を描きあげた作家の精神力、集中力に脱帽。

そして、さらに大きな縦長の作品が。

左:『手袋の婦人』 カロリュス・デュラン

右手の手袋は?と思えば、画面左下に。一体、何があったのか?

美しいなぁ、と眺めていたのですが手袋を見た瞬間に緊張の走った絵でありました。

右:『バスカ夫人』 レオン・ボナ

もう佇まいと衣装からして、一般家庭のご婦人ではないと思ったら女優さんがモデルだそうで。右手に光る指輪の輝き、衣装の質感、ものすごい大きな絵にも関わらず違和感を感じさせないバランス。

くどいですが、こんなにも大きな画面を丁寧に描き尽くすって、どんな精神力と集中力なんでしょうか。分けていただきたい。

特に、この2つの作品は近寄ったり、遠くから見たりを繰り返してしまいました。

モネの『死の床のカミーユ』も、この章で見ることができます。ですが、私は凝視することができませんでした。

愛する人が死に近づいていく、その瞬間を描きたいと思う、その心情が個人的には理解が難しいというか。

だから芸術の分からん奴は!とか言われそうですが(そもそも、そんな玄人の方がこのブログを読んでないって)

思い出すだけでも辛い状況を絵にとどめよう、という発想が私はできないだろうなぁ、と。

9/15まで世田谷美術館で開催中の企画展。

『ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展』では修復後初めて≪ラ・ジャポネーズ≫が展示されているとか。

画像で見ただけですが、その生き生きとした姿を見ると、さらにこちらのカミーユを見るのが切ないのでありました。。。

切ない、といえばこちらの作品も。

恰幅の良い紳士が、タバコを手に立っております。

『シャルル・ル・クール』ルノワールの作品。

このシャルルさんは、画家のジュール・ル・クールのお兄さん。ルノワールの才能を認めパトロン的な存在だったとか。この人を描いた絵が何枚かあるそうですが、この作品が描かれて間もなく、2人は突然の絶縁状態になったそうで。

ただ、調べてみるとジュールさんの娘さん(16歳)にルノワール(32歳)が恋文を送ったことに対して、ジュールさんが怒って絶縁した、とかしないとか。これは完全に裏が取れた話ではないのですが、もし本当だとしたら、ゴッホにしても、ルノワールにしても、叶わぬ恋から芸術を極めるってパターンは多いのでしょうか???

(ゴッホについては、こちらで書きました

【8章 近代生活】

ここで見られるのが、日本初公開というモネ《草上の昼食》

いかに大きな作品かが、映像からも分かると思います。

これ、どうやって運んできたんだろうと、つくづく不思議であります。

元は1枚の絵で、大家さんに家賃代わりに没収されてる間に絵が傷んだため2枚に分断されたとか。自分の作品を自身の手で切ることになろうとはモネ本人も思ってもなかったでしょうねぇ。

9/20(土)のテレビ『美の巨人たち』では、この『草上の昼食』が取り上げられるようです。録画しよっと。

しかし、この作品を家賃代わりに没収した大家さんも大家さんですよね。こんなに大きな絵をですよ!もっと、小さくて高価そうな絵を没収すれば良かったのではないかと勝手に思ったり。これだけ大きいと置き場所を確保するのも大変でしょうにねぇ。

と、相変わらず気になるところが本題とズレる私。

この作品は、マネの『草上の昼食』に影響を受けて描かれたとか。

なぜ、この絵がそれほどまでにモネを奮い立たせたのか?

Wikipediaによれば、当初マネは絵に『水浴』というタイトルを付けていたのに、モネが『草上の昼食』を描いてから、同じタイトルに変更した、ってのも。モネとマネの関係性。なかなかに、謎であります。

そういえば。

前出の『ヴィーナスの誕生』が好評で、ナポレオン3世にお買い上げされた時のサロン。

そのサロンに審査拒否されたのがマネの『草上の昼食』だった、とか。

オルセー美術館展の公式ホームページ みどころ 関連年表より

裸婦を描くにも、ヴィーナスと一般の女性を描くのとでは大きく扱いが違った時代だったということでしょうか。ヴィーナスは裸婦じゃない!とか叱られちゃうかな。

ドガの『バレエの舞台稽古』も、モリゾの『ゆりかご』も見られて満腹。

よくぞまぁ、ここまで貸してもらえたなぁ。

そしてラストは【9章 円熟期のマネ】。

『アスパラガス』については、面白いエピソードが。

よろしければ、こちらの美術の世界の「へー!」な話をご参照ください。

このページによると、マネとモネは存命当時から間違えられていたんですね。

最後を飾るのは『ロシュフォールの逃亡』

 

印象派だけに限ったことではないと思いますが、意見が合わなくなって対立するとか、喧嘩?相手が出ないなら印象派展に出展したり、何かと人間くささを感じる画家が多かったようなイメージを受けました。

公式ホームページの「本展のみどころ」の中で”相関図”というpdfが見られるのですがこれがなかなかに面白くて。

モネとセザンヌは互いに尊敬していた。ルノワールはセザンヌを尊敬していたけれどセザンヌからは、そうは思われなかったのかな?とか。しかも、セザンヌからは「マネが嫌い?」とか矢印でてるー!

マネとドガは「のちに険悪な関係」とか書かれてるし。

ルノワール、モネ、モリゾ、シスレーは、ほぼ同い年なのか。

何といっても、モネへの矢印がすごい。

モネ←金銭的に援助←カイユボット

モネ←精神的な支え、援助←バジール

モネ←精神・金銭の両面にわたって援助←マネ

どんだけ愛されてるんだ、モネさん。

そして、これだけ長くなりましたが最後にもう1つだけ。

今回、オフィシャルオンデマンドグッズというのがありまして。

>あなたのお気に入りの作品をお手元に!

>誰でも知っている有名な作品から隠れた名作まで。

>オルセー美術館展で展示されている名画全84点をiPhone5/iPhone5Sケース、

>iPad miniケース、ピクチャープレートにしてお届けします!

とのこと。

自分の好きな作品で作れるというのが面白、嬉しい企画だなぁ、と。カレンダーいいなぁ、これいつまでに申し込めばいいんだろう。

そして、12枚・16枚・24枚の3タイプから選べる!!

12枚と24枚は2015年1月始まり。16枚は2014年9月始まり。

12か24枚で悩むなぁ。もたもたしてたら、締め切られちゃうかな。などと思う、芸術の秋なのでありました。