3月11日から府中市美術館で開催中の《歌川国芳展 21世紀の絵画力》。
前期・後期あわせて約240点もの国芳作品が見られるとありまして
ものすごく楽しみにしておりました。
今回の図録は一般書籍として発売されるとのこと。
- 作者: 金子信久,音ゆみ子,府中市美術館
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/03/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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なぜ、一般書籍化したのか?については美術館で図録を購入した人にのみ
配布される”ごあいさつ”のなかに答えがありました。
ものすごく要約させていただくと。
2010年に府中市美術館で開催された《歌川国芳 奇と笑いの木版画》では
図録が売り切れてしまい、購入できなかった方がいらした、と。
そのため今回は書籍化し、かつ、展覧会にでていない作品や資料などを掲載する
ことで、より多くの方に読んでいただきたい、より国芳の魅力を楽しんで欲しい
という想いが込められているようです。
また、図録の最初にはどの作品が展覧会に出品されないか、というリストが
入ってました。至れり尽くせり。
おそらく、このリストは美術館で購入した図録にのみ入っているのかな、と。
勝手な推測ですが。
作品もたっぷり、そして解説もたっぷり収録された、とても読み応えのある一冊。
後期展示へ行く前に、目を通しておきたいという願望。
そして、 こちらはA4サイズで8ページほどのガイドブック。
展覧会の要所要所にあった、ポイントの解説が掲載されておりまして
この方の本が好きでして。展示の解説も全部ではないかもしれませんが
担当されていると思われ。
その口調(というか文章ですが)が優しくて、笑いがあって、ちょっぴり
しんみしりたりして、とにかくまぁ、大好きなんです(突然の告白)。
図録になると、やはりそのまま掲載するのは難しい部分もあるのでありましょう。
”~である”みたいに口調に変更されるだけで、雰囲気が変わってしまうのは
いたしかたのないこと。
ですがこのガイドブックだと、金子節が少し楽しめるという。
そうそう、英語での解説も載っております。
他に購入したのは絵はがき。
ショップでは50枚セットが3,000円(税込)で販売されてました。
限定100セットとのこと。次回行く時までに残っているかしら……。
つまり、50種類の絵はがきを準備されたということ?!
なんと凄い。
こちらは絵はがきの裏面、というか、住所を書く面。
切手を貼る部分には、歌川国芳『其まゝ地口 猫飼好五十三疋(中)』に
描かれている猫の姿。
猫の仕草と東海道五十三次を掛けた駄洒落が描かれた作品だそうで。
例えば、こたつの上で丸くなった猫の絵の横には「草津」という感じで。
私の駄洒落好きは、江戸時代から伝わるDNAのなせる技なんだな、と(大袈裟)
はて、この切手の部分に描かれた猫は、どの地名の子なのかな?と
猫飼好五十三疋の絵はがき(上中下の三種類が販売されていました)を見ていましたら。
何かを”むちう”になって食べている猫。
その横には「府中」の文字!!
この遊び心!!!府中市美術館さん、大好きだーーーーー!!!
美術館内にはショップが2か所ありまして、展示会場をでたところと、1階に
常設ショップがあるのですが。
1階のショップには歌川国芳缶バッヂのガチャガチャが置かれていました。
1回200円で8種類あるようでした。
2回引いてみたところ同じ色のカプセルがでたので、また同じものを引き当てる
能力を発揮してしまったかと思いきや
どちらも私の好きな作品でした!!
左は『ほふづきづくし 夕立』の部分。
右は『猫のすゞみ』に描かれた船頭さんのアップ。
いいわぁ。この表情最高だわぁ。
ちなみに、先日《これぞ暁斎!展》で見た『家保千家の戯』という作品。
”かぼちゃけのたわむれ”と読むようでして。
なんと、かぼちゃ人たちが描かれているという非常に面白い作品。
その解説に「川鍋暁斎の師匠である国芳には『ほふづきづくし 』という作品がある」
と書かれていました。
なので国芳展で『ほふづきづくし 夕立』を見た瞬間、「これか!」と。
面白い子弟ですねぇ。ふふふ
とある展覧会で見たことが、次の展覧会へ繋がっていくことがあったりするのも
展覧会へ行く面白さの一つだなぁ、と思う今日この頃です。