三井記念美術館で開催中の《国宝 雪松図と花鳥展》。
私がミュージアムショップで購入したグッズについて書こうと思います。
そうそう、1月20日放送の”美の巨人たち”で雪松図が紹介されるようですね!楽しみだなぁ。
購入したのは絵はがきとA4クリアファイルです。
『東都手遊図』 源琦
なんとも愛らしい作品でした。
玩具を描いたものという説明があったと思うのですが、はて真ん中の子はどんな玩具なのか、はてさて。
重要文化財『玳皮盞(たいひさん)』
覗き込むと、鳥が浮かび上がるような ふわ~とした感じに見えました。中の細かい斑っぽい模様(この場合は、景色といえばいいのかしら)のためと思われますがなんか、こう、ふわ~って感じなんです。(今年も表現力ゼロ)
なんでも鳥は想像上の瑞鳥である鸞(らん)だそうで。
中国の想像上の美しい鳥。鶏に似て羽の色は赤色にいろいろな色が混じり
鳴き声は五種類あるという。
と、大辞林に書いてありました。
Wikipediaによると、「鸞」は雄の名だそうで雌は「和」と呼ぶのが正しいとされる、と。浄土真宗の開祖・親鸞の「鸞」も鳥と関係あるのかしら。はて。
『鳥類真写図巻』渡辺始興
江戸時代に、こんなにも克明に様々な種類の鳥を描いている人がいる!と。絵の横にはチョコチョコっとメモ書きもされていて。例えば”羽数十九枚”と。細かい。上から下から斜めから。足先だけのクローズアップなど色んな角度から全63種類の鳥たち。コウモリも入ってました。
本紙46枚、なんと長さ約17メートル!
博物学を好んだ家煕の影響下で制作された可能性もある、と。 家煕としかメモしてこなかったんですけど、近衛家煕さんのことかしら……。なぜ下の名前だけメモったの私……。
展示室4の入口を入って左手にある展示ケース、隅から隅までずずずいーーーーっと、この図巻でした。
「うわー、本当にムクドリだ。こんなにも上手く写せるってどういうことなんだろう」とか思いながら夢中で見てたので、端の端にくるまで気づいてなかったんですけど。あれ!!この展示ケース丸ごとだったんだ!と振り向いてビックリ。
この図巻を大切にしていたのが新町三井家の三井高遂(たかなる)氏。幼少の頃かの鶏が好きだったそうで東京帝国大学の大学院で動物学(遺伝学)を修め、1941(昭和16)年から亡くなるまで全日本チャボ保存協会の会長も務められたそうです。
全日本チャボ保存協会の公式ホームページを見てみると、どうやらチャボを飼育していなくても入会できるそうです!(って、なぜか興奮)何でも昭和16年にチャボが国指定の天然記念物に指定されたのを機に創設された、とのこと。
いやぁ、色んな世界があるんだなぁ。しみじみ。
それにしても、なぜ三井家の方々はそんなにも鳥好きな方が多いのだろう??と思いつつ展示をみていました。
「鳥、苦手なんだよなぁ。でも親戚には言いづらいなぁ」という方もいらっしゃったんじゃないだろうかとか勝手に妄想。
北三井家の7代・高就(たかなり)氏は”絵は玄人の域。商売には不向きであったが文化人として知られていた”という説明が……本人見たら苦笑されたでしょうねぇ。
9代・高朗(たかあき)氏も鳥を趣味として絵を描いたりしてたそうで。高朗氏は400羽以上の飼鳥がいて、亡くなった時は多くを西本願寺の大谷家に引き取ってもらったという記録があるそうです。
400羽以上……エサ代と飼育する場所が膨大な感じですね。
鳥たちを引き受けた大谷家は、浄土真宗と関係があるようなので(Wikipedia頼り)やはり鳥と浄土真宗(親鸞)は縁が深いのかしら???
『雪松図屏風』 円山応挙
国宝に指定されている応挙作品は、現在この作品だけと知り驚きました。
以前、日曜美術館で紹介されていたときに最新の3D機材を使って再現していまして。その時は、イマイチピンとこなかったのですが。
いつものように、本物と同じような画材と紙で再現してくれたほうがいいのにとか正直思っていたのですが。
実物を見て、意味が分かりました。なるほど、これは3D作品である、と。
絵なのに。絵なのに3D。3Dメガネをかけていなくても、3Dに見える。展示ケースに近づいては、絵なのを確認し。離れては、やはり絵とは思えない。おかしい、なんだろう、この実在感。
雪のふかっとした、それでいて水分を感じる。重みを感じる。絵なのに。雪がのって重そうに垂れ下がった枝からは、今にも雪が落ちそう。
私、恥ずかしながら初めて知ったのですが。
国宝・雪松図屏風って新年に三井記念美術館で公開されることが多いんですね。公式ホームページを見ていたら、確かに回数が多い!
国宝は年間の公開日数が決まっているというから、毎年ではなさそうですが。
で、ホームページで過去の展覧会を見ながら「これも見逃してる、あぁ、これも」となるのでした。
雪松図はクリアファイルも購入。
便利堂さんのグッズは、本当にデザインが素敵。うっとり。
なかに白紙を挟んでみました。
ふむふむ、見え方が違ってくるのですね。
ここから先の2つは、今回の展示にはなかったのですが。つい。つい。
『花鳥動物図(11幅のうち)』沈南蘋
薄~いストライプが、なんともお洒落。
『百犬図』伊藤若冲
これは、いつか購入しようと思っておりました。自分へのお年玉ということで(?)。
ショップでは気づかなかったのですが、裏面には薄~く茶色が入っていまして。しかも全体ではないところが、また心憎い。
と、まぁ色々と話が脱線しましたが。
雪松図は、機会があればこの目で何度でもみたいという作品だったこと。三井家の方々が鳥を心から愛し、鳥に関する美術品を多数収集されていること、見るだけでなく実際に自ら作品も制作してしまうほど芸術的センスに優れた方々がいらっしゃること。
個人的には、絵もいいけれど工芸品が!工芸品、面白かったです!!
象牙とか!象牙なのに、鳥の丸みとか羽が見事に細工されていたり、小さな小さな雛鳥3羽のうち1羽だけ口を開けていたりとか!!!
三井鉱山で産出した鉱石が象嵌してある水晶を置くための棚とか!!鶴の卵を盃にしていたりとか、もう、本当に、あらゆる素材が使われた品々が。
2018年初めての展覧会が、こんなにも楽しくて美しいとはなんて幸先の良いスタートだろう、とほくほくしながら帰って来ました。