日本民藝館の存在をアートシーンで知りました。
で、一度行ってみたいと思いつつ月日は流れ。
たまたま、《柚木沙弥郎の染色展 もようと色彩》に行きたいと家族が話していたのを聞きまして。
それじゃあ、行ってみよう!と。ええ、今年6月末の話なんですが。
行った日は蒸し蒸しとした湿気たっぷりの小雨が降る日でした。
美術館にさえ行けば涼めるという不埒な考えを抱きつつ、初めての場所だもので案の定(?)駅を降りて日本民藝館とは正反対へ歩いてしまい。
(しかも地図を見てたのに)
さらに蒸し蒸し増し増しとした感じになりつつ到着。
到着前から、建物にひっきりなしに出入りする人々の姿が見えていたのであぁやはりテレビでも放送されたし、最終日に近いから人が多いんだなぁ、と。
入口では白いビニールを持った係の方が2名立っていらっしゃいまして、どうやら据え付けのスリッパに履き替え、靴は各自そのビニールで管理する方式。
あれ?
ん?
入口の扉が全開。
つまり、つまりは、冷房が効いていない??
そして、ロッカーはなく受付で預かってもらえる感じなのですね。
でも、かさばる荷物ならいざしらず、うーん、人も多くて忙しそうだし預かってもらうのもなぁ……。
で、2階へ行ったときに冷房(冷風?)が効いている部屋が一部ありまして。
大変助かりました。しばらく、その部屋の椅子に座りこんで休憩。
気力を取り戻し落ち着いて館内を見てみると、魅力的な造りで。
建物入ってすぐの、あの開放感はなかなか味わえないし。
今度は気候の良い日に、のんびりと館内を見たいものだとつくづく思ったのでありました。
柚木さんの作品は展示室以外の壁にもかけられ、白い壁をカラフルに彩る作品の数々。
その色合いとデザインにうっとり。
展示室では、パウレ族ゴリダンスプレプレ仮面やアリゾナ州ポピ族のカチナ人形など様々な民族工芸と柚木さんの作品が並んで展示されておりました。
最初、この仮面たちは柚木さんの所蔵品なのかと勘違い。
違和感のない展示だったもので、こういうものからイメージを膨らませて作られたのかしら、なんて勝手に勘違い。
それらは日本民藝館の所蔵品ということを知りました。展示品のなかに縄文遮光式土偶がありまして、え、まさかここで出会えるとは!!と驚きました。
コロンビアの土偶もあったなぁ。
そういえば《縄文展》で、「日本民藝館すべての所蔵品と交換してもよい」と
柳宗悦氏が言ったという岩偶(がんぐう)が展示されていました。
1089ブログの最後の方に出てきます。
この岩偶を入れる箱を弟子の一人に注文し、なかなか届かなかったので柳さんが催促する手紙を出したという逸話が縄文展の図録にありました。
って、話がそれました。
作品名が黒い紙にオレンジ色の毛筆?で書かれていたのも美しかったです。
動物モチーフ、人物モチーフも、力強い模様の作品もどれもシンプルでありながら、そこまでそぎ落とし、色の組み合わせを考え、柚木さん独自の味なんだな、と。
ほのかに可愛いくて、お茶目な、それでいて飄々とした感じを受けました。
残念ながら私が行ったときは図録が売り切れで。
アマゾンで購入できるこの本と同じものなのかしら?
うーん、やっぱり欲しいなぁ。
当日は絵はがきセットを購入しました。
『型染むら雲三彩着物』
この展覧会のメインビジュアルにもなっている着物。
これを実際に着てみると、どんな感じになるのかな、と思いながら見ていました。
型染四曲屏風『童女の四季』
『型染唐草文布』(部分)
型染布『喜びの鳥』
『型染山羊文暖簾』
型染布『ツバメのうた』(部分)
このツバメ可愛かったなぁ。
ちょうど展示室の入口の上に飾られていて、展示室の奥からふと入口方向を振り向いたときに「あ!!!!!」と。
柚木さんの作品を購入することは、まず私の財力では難しいので。
どうだろう、こう、タオルとか、手ぬぐいのデザインをしていただけないだろうか。
そうしたら、私も直接的に柚木さんを応援できるのに。
私ごときが応援しなくても、もう十分に活躍されていらっしゃるんですけど。
と思ったら。
beamsでは手ぬぐいが作られたこともあったようです。
もしかしたら、いずれマスキングテープとかも出してくださるかもしれない。
マスキングテープとか。マスキングテープとか、うん。
勝手な期待を寄せている今日この頃です。