展覧会

美の祝典Ⅱ 出光美術館 ≪伴大納言絵巻≫中巻

気が付けば、会期も残り2日というギリギリのところで

見て参りました『美の祝典Ⅱ』展。

 

おそらく、これを見ておかないと気持ちが落ち着かないということで

まずは伴大納言絵巻の中巻へ。

 

正午過ぎに行ったのですが、一旦人が少なくなったところだったようで

並ばず ゆっくり、じっくりと見ることができました。

表情豊かで、建物や植物の描き方も丁寧(?!)だし、文字は読めないけれど

絵だけ見ていても楽しくて。しかも綺麗な文字。羨ましい。

(くずし字も読めたらいいなぁ、と思ってアプリをダウンロードしたものの

まだ1回しか触っていないという…)

 

この絵巻が書かれた当初は、さぞかし綺麗だったんだろうなぁ。

着物の柄や色も美しかったんだろうなぁ。羨ましい、実に羨ましい。

この絵巻が出来たてほやほやの時に楽しんだ人々がいたんだなぁ、羨ましい。

 

 

とは言え、ここまで大切に守られてきたんだから凄いことだなぁ。

この絵巻を作った人にも、教えてあげたいなぁ、後世の人たちも大勢見て

楽しんでいます、って。

 

と、相変わらずの妄想を繰り広げながら見ておりました。

 

 

≪ざっくりとした中巻のストーリー≫

 

応天門放火の濡れ衣をきせられていた源信は赦免され

事件は犯人不在のまま決着かと思われたが…

思わぬところから真犯人の名が世間に知られることとなる。

 

それは事件から数か月後のこと。

2人の子どもが喧嘩になり、そこへ片方の親が相手の子どもに容赦なく暴力を

加えるという事件が起きたことに端を発する。

 

これに怒った被害者側の父親は、自分が見たことを世間に言いふらす。

加害者側の雇い主である伴大納言が、実は真犯人である、と。

ここで中巻は終了。

 

この子どもが喧嘩するシーンは、異時同図法の表現として有名なんだそうで。

今回は忘れず、しっかりこの異時同図法の説明書きをメモってまいりました。

 

 

四コマ漫画のルーツ 異時同図法

 

子どもの喧嘩の場面には、水玉模様の子どもが2人、

同じ浅黄色の着物の子どもが3人、

同じ顔をした父親も2人います。

一体どうなっているのでしょうか。

 

私がミュージアムショップで購入してきた絵はがきでご説明しますと

 

これは同一人物の動きを少しずつ時間をずらしながら、ひとつの画面に描くもので

異時同図法という絵巻独特の表現方法によっています。

今でいう四コマ漫画と同じようにシーンを分けてみれば

起 : 子どもの喧嘩

承 : 飛び出す父親

転 : 父親は我が子を庇い、相手の子どもを蹴り倒す

結 : ぐずる子どもをなだめて連れ戻す母親

となっていることがお分かりいただけますか。

この父親は大納言に仕える男で出納の職にありました。

 

とりわけ、承と転が出納の家の前のわずかなスペースで展開されているため

後に重大な問題に繋がっていく出納の行為が、カッとなったほんの一瞬の

出来事であったことが伝わってきます

 

なるほど!

これを知らないでみると、同じ画面に似たような人が何人も??となってしまいますが

一瞬の出来事だからこそ、ほぼ1つのスペースに描きこまれているのですね。

よく考えたなぁ。

確かに、起きた順番に描いていったら、緊迫感は感じられないかもしれないなぁ。

 

 

たまたま足を止めた官人の従者たちも、一瞬の出来事に口をあんぐりあけて

取り巻くばかり。

 

一方で髪の毛一本一本にまで手を抜かない細かい描写も見どころ。

出納の子どもの手に絡みつくむしりとられた髪の毛、

蹴られて風になびく舎人の子どもの髪の毛。

 

劇的な構図と細密な描写の中に絵師の力量が冴えわたる名場面です。

 

目を凝らして何度も見たものの、出納の子(浅黄色の着物の子)の手に握られている

という髪の毛が私には見えなくて。

単眼鏡欲しいなー、欲しいなー。

 

言い訳しますと、子どもの手の部分とヒビが重なってしまって、うん、

私にはハッキリ見えなかったんですよねぇ。残念。

でも、父親の陰に隠れ憎らしい表情をしている子どもの表情は、ハッキリ分かりました。

に、にくたらしい。

それにしても、こんなに蹴らなくてもいいだろうに、ぐらいな勢いで蹴ってますね。

そりゃ、蹴られた側の親御さんが怒っても仕方ない。

今まで自分の見たことを黙ってきたけれど、我慢ならず皆に話しちゃいますよね。

それを周りで見ている人々の描写も好きでした。

 

大きな箱を頭にのせ何かを運んでいる途中の人も

一回止まってしまったら動き出すのも大変そうなほど大きな大きな壺を背負った人も

思わず立ち止まって見てしまうほどの勢いと、驚くべき内容だったんだなぁ、と。

 

このシーンの前にある、源信の家族や女房たちの表情の描き方も素晴らしくて。

本当に、これを描いた人はどんな人だったのか。

後ろからでいいのでコッソリ見てみたい。他の作品はないのかしら。

この人、きっと人気あったと思うんだよなぁ(またも勝手な妄想)

 

 

と言う訳で、前回購入してなかったB5クリアファイルと絵はがきを。

 

絵はがきは8枚入りセットと、セットには入ってないものを。

伴大納言絵巻の絵はがきはバラ売りもございまして。

セットに入っている絵はがきは、販売ケースに小さなオレンジ色のシールが貼ってあるので

重複しない仕掛けに。ありがたや!

 

なのに、なぜか2枚重複してたことが帰宅して判明。

なんだろう、テンションあがりすぎてシール見落としたんだろうな。

さすが、私。

 

中巻の絵はがき2枚を同一人物部分で重ねると喧嘩のシーンから

言いふらしシーンが一枚に繋がります!

 

セットに入ってない絵はがき。

私が購入したこの2枚は、セットに入っている絵はがきと違って上下に余白が

ありませんでした。

 

 

と、絵巻だけでかなり書いてしまったので他の作品については

また別の機会に。

 

 

 

 

 

 

 

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