Eテレで毎週水曜日の05:55から始まる浮世絵EDO-LIFE。
5分間の番組ながら、毎回1枚の浮世絵を紹介してくれる面白い番組です。
今回の浮世絵
喜多川歌麿の『三囲神社の御開帳 向島の花見』です。
当時の女性たちは、花見のときに精一杯着飾って出掛けたんだそうです。
謎の建造物の正体は?
地面から、にょきっと見えるのは鳥居の一部。はて、なぜこんなに低いのか??
その謎を解き明かしてくれる、別角度から見た浮世絵がこちら。
歌川広重『東都名所 隅田川三囲堤』
2軒の茶屋の間に鳥居が見えます。土手の下にある神社の鳥居で、神社の名前が「三囲(みめぐり)稲荷」とのこと。
そういえば、男の人のうしろに「三囲稲(”荷”の字が隠れていますが)」という幟が見えますね。
隅田川のほとりにあるこの土手は人気のお花見スポットだったそうです。
関係性
左側にいる三人には着物に同じ家紋が入っていることから、家族なのではないか、とのこと。
実際にこの浮世絵を見ても、私はそこまで気がつけないだろうなぁ。なるほど今度からは家紋も気にしてみます。
謎の視線
花見だというのに、なぜか人々は桜を見ていません。右側にいる黒い着物の女性は、何かを指差して笑っていますね。さて、何を見ているのか?
お花見らしい?光景
人々が見て笑っていた、もしくは苦笑していたのはこの真ん中の女性の行動です。
ぱっと見ると桜を見上げているようにも見えますが、どうやら視点が定まっていないようです。肩から着物がずり落ちて、赤い肌襦袢が見えてしまっています。
左手は隣の人に持ってもらっていますし、1人で歩くのも覚束ないのでしょうか。
右手に持った扇子は今にも落としそう。扇子の入っていたであろう袋は落ちてしまっていますし、着物の裾も乱れています。
相当、飲んでしまったんですね。本人にとっては楽しいお酒だったようですが、連れて帰る人たちが恥ずかしそう。
お付きの人でしょうか、酔っ払ってしまった彼女の落とした懐紙を拾おうとしています。手には桜の枝。もしかして、酔っ払った彼女が折ってしまったんでしょうか??
以上のことを踏まえて、この浮世絵を見てみるとまた一段とその面白さ、浮かれた感じが分かって楽しいです。