山種美術館の特別展『Kawaii 日本美術―若冲・栖鳳・松園から熊谷守一まで―』に出かけてきました。
会期が明日までなので、もっと早く記事を書くつもりが・・・
明日までですが、迷っている方がいたら是非お出かけいただきたいな、と思いまして急いで書きます。いや、私が急いでどーするって感じではありますが。
我ながら自分のボキャ貧ぶりに呆れつつも、展示品を見ながらついつい口からでるのは「可愛い!」という言葉。
でもまぁ、テーマがKawaiiだから、なんて言い訳。
私が一番心を惹かれたのは山口華楊(やまぐち かよう)の『生』という作品。
生まれたばかりの子牛を見て、生命の誕生に強く感銘を受けた。その時の感動を、二十年以上経った後に作品にしたもの。
二十年経っても色褪せない強烈な印象を、自分が納得いく形で表現できるまで温め続けたであろう山口画伯。その二十年の間に、何回か描こうと挑戦したんでしょうかねぇ。
でも、まだ納得いけるものができない、と密かに思って違う作品を描いていたのかしら。
なんとも言えない神秘的な雰囲気の子牛、そして背景にある板塀の色味が素晴らしかったです。
そして、『生』の隣にあったのが同じく山口華楊 『木精』
屋久島の屋久杉を思い出してしまうほどの、圧倒的な樹の存在感。実際は、京都・北野天満宮にあります樹齢400年の老欅を描いたものだそうで。
静けさを強調するために、以前飼っていた木菟(みみずく)を添えたという。
ということは、みみずくは主役ではなかったのか。ですが、ものすごい存在感でした。美術館の閉館後、絵を飛び出して飛び回っていてもおかしくない感じで。
隣の子牛も、夜には立ち上がっているかも、、、映画『ナイトミュージアム』みたいに!?
竹内栖鳳の『ふくろう』
ユーモラスで可愛かった。柿かと思ったいたら、烏瓜(からすうり)でした。。。
そして、私が一番「可愛い」を奮発したのが
室町時代の『藤袋草子絵巻』
会期の前期と後期では、展示する場面が違っていたそうで。くぅー、前半部分も見たかったなぁ。
あらすじを簡単に書きますと、猿たちが人間の娘をさらったものの、娘が泣いてばかりいるので”藤袋”に入れて木に吊るし彼女のために果物を取りに行っている間に、娘は狩人に救出される、という。
猿の描写もさることながら、猿たちが娘のために和歌を詠んだり、宴会を開いたり、なんとか元気になってもらおうという姿勢が、その姿勢がなんとも可愛らしいのであります。
この絵はがきがあったらなぁ、絶対購入していたんですが。他館(サントリー美術館)所蔵なので出来なかったのかしら。。。
少しスピードが速いですが、藤袋草紙絵巻を紹介した画像を発見!
国立国会図書館デジタルコレクションでも見られますが、残念ながら私が見たものより状態が良くないようで・・・・・・。
山種美術館所蔵の竹内栖鳳『班猫』が見たかったのですが
ホームページに、残念なお知らせが
>文化財保護のため、2014年度は当館での展示を予定しておりません
知らなかったとはいえ、昨年、東京国立近代美術館で行われたという《竹内栖鳳展 近代日本画の巨人》を見逃したのは残念だったなぁ。
『金獅』という作品を、ぜひ見てみたかったなぁ。どこかで見られるのかなぁ。。。
そうそう。
『Kawaii』展の図録はA5サイズで持ち運びしやすく、解説の他に漫画のような吹き出し付きで、これまた可愛いので購入してきました。
大きい図録も見応えがありますが、気軽に開けるのもいいなぁ、と思う今日この頃です。