アカデミア美術館所蔵《ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち展》。
国立新美術館で見てまいりました。
なんでも高さ4メートルの作品が来ているというので、初めて美術館へ
双眼鏡を持ち込んでみました。
が、そこまでは必要なかったような。ははは
Ⅰ ルネサンスの黎明-15世紀の画家たち
こちらの作品から始まりました。
最初、チラシでこの絵を見たときに上空に浮かぶ顔だけの天使に
「?????」「ちょっと怖いかも」と。
この首だけの天使は、天使の階級では上位の智天使と呼ばれるそうで。
実際に見たところ、まったく怖くないし色の綺麗さにウットリ。
聖母の抱き方が珍しいと思いつつも、その衣の赤色にウットリ。
ジョヴァンニ・ベッリーニは兄・ジェンティーレとともに父・ヤコポの工房で
修業し、聖母子像を数多く描き”聖母の画家”とも呼ばれているとか。
父・ヤコポはヴェネツィア派の創始者とされる人物、と。
1440年ごろに始まったそうで、ヴェネツィアの初期ルネサンス絵画を
代表する最大の画家がジョヴァンニ・ベッリーニとのこと。
豊かな色彩や感情表現に加え、背景に広がる表情豊かな自然の描写も
ヴェネツィア派の展開に大きな影響を与えた、と説明にありました。
全然関係ないのですが、”ベリーニ”というワインベースのカクテルは
このベッリーニから取られたとか。桃も入っていて美味しそう。
《聖ヒエロニムスの葬儀》ラッザロ・バスティアーニ
祭壇を、ほぼ真横から描くという斬新さに目を奪われ、そして次に
聖ヒエロニムスを悲しげに見守るライオンに視線がいきました。
ライオンの近くにいる人が、チラっとライオンを見ていまして。
この人、ライオンに襲われるんじゃないかとヒヤヒヤしてるのかな?
なんて妄想。
彼は荒野にいて、よくなついたライオンが傍にいて、赤い帽子が描かれていたり
石を持っていることが多いとか。
この作品の他にも、聖ヒエロニムスを扱った作品が多くみられました。
左:《福者ヤコポ・デッラ・マルカ》
右:《聖セバスティアヌス》
どちらもカルロ・クリヴェッリの作品。
一回見たら忘れられない、この独特な目や鼻の描き方。
左の人が頭から放射線状の光線を出しているのに対して
右の人は頭に光る円盤を載せていました。
円盤と光線の違いって、何かあるんでしょうか。
この聖人の場合は光線、この聖人は円盤、みたいな??
どちらの作品も、足の人差し指が親指より長く描かれていて
それってボッティチェリの影響?!とか勝手に思ってみたり。
たぶん違うと思いますが、はい。
カルロ・クリヴェッリは1430頃~1495年
サンドロ・ボッティチェリは1445~1510年
どちらかというと、ボッティチェリが影響を受けた??
いや、それも違うと思いますが。
なぜボッティチェリの影響と思ったかというと、こちらの動画。
2分50秒あたりから見ていただければと思います。はい。
《受胎告知の聖母》アントニオ・デ・サリバ(別名アントネッロ・デ・サリバ)
通常、受胎告知というと大天使ガブリエルがマリアに受胎を告げる
場面として描かれるそうですが
この絵はマリアしか描かれていないという。
>マリアと向かい合う私たちは、この聖なる出来事に参加するとともに
>その驚きと戸惑い、畏れや恭順の心などを追体験するのです。
と説明にありました。
なるほどー、見ている私たちも告知の場に立ち会っているのですね。
マリア様、思わず右手で「ちょ、ちょっと待って」ポーズをとっているように
思えてしまいました。
この絵でも、机のところに何か文字が書き込んでありますが
他の作品でも、え?ここに文字書いちゃう?というところがあったりして、
面白いなぁと。
カルパッチョ……生の肉や魚を薄切りにしてオリーブ油などをかけた料理
by 新明解国語辞典
料理のカルパッチョは、ハリーズ・バーのシェフが画家カルパッチョの
回顧展にあわせて開発した、とか
カルパッチョの使う赤色が牛肉の赤い色に似ているから、とか
画家のカルパッチョが好きな料理だったから、とかとか諸説あるようで。
ちなみに、先ほど触れた”ベリーニ”という名前のカクテルもハリーズ・バーが
発祥の地とか。
日本だったら”光琳”とか”若冲”とか名付けられた料理やお酒があるのと
一緒ですよね。うーん、どうだろう。
探したらあるんでしょうかねぇ画家の名前が付けられた食品。
と、大きく本題からズレました。
エリザベトはマリアの従姉妹だそうで、マリアはエリザベトが妊娠したことを
大天使ガブリエルから聞いて従姉妹を訪ねたようです。
エリザベトから生まれたのが洗礼者ヨハネ、と。
絵にはウサギ、シカ、赤い鳥など動物たちが描かれております。
ターバンを巻いた人物や、バルコニーにかかった絨毯や、シュロの木といった
東方風のモティーフが使われている、と。
ふむふむ確かに。
>世俗的な描写で神聖な物語を彩る手法は、この画家独自のものです
と説明にありました。
確かに、何の説明もなく、タイトルも知らずにこの絵を見たら親子の
別れのシーンかな??とか私は思ってしまいそうです。
知識がなさすぎて、自分がこわい。
《聖母子》 フランチェスコ・モローネ
>16世紀初頭ヴェローナを代表する画家。
>滑らかな丸顔の人物、左右対称の構図、光を発するような
>色彩に特徴があります
確かに、確かに。
マリア様の着ている洋服やマントの内側が、ものすごく光沢感。
《聖母子と聖ヒエロニムス》 ニコロ・ロンディネッリ
幼子なのに、この物憂げな表情。
手前に木の手すり(?)がありますが、一番最初に見た作品もそうだったなぁ。
こうゆう構図が流行っていたのかしら??
私のメモには「後ろのカーテンの色が好き」とか、どーでもいいことが
書いてありました。
と、第一章だけで長くなりましたので続きはまた……