エルミタージュ美術館で常設展示されている85点が勢ぞろい。
わざわざエルミタージュ美術館へ足を運んだら、え?日本に貸し出し中!!って
ショックを受けている方がいるかもしれませんね。
ごめんなさい、日本に居ながらにして堪能させていただきました。
この図録の何が好きって、エルミタージュ美術館の写真も少なからず掲載されて
いるところです。
そうか、現地ではこのように飾られているんだ!というのが分かって面白いです。
中には、え?そんな上に飾ってあるんだ!というのもありまして。
日本の企画展では考えられないというか。
どれだけ天井高いんですか?!というのもあるし、所蔵品が多いから所狭しと
並べるしかないのか、それとも西洋では絵というものは1点を眺めるというのでは
なく壁を覆うぐらいな勢いで飾る物、という認識なのか。うーむ。
それにしても豪華な宮殿の装飾とともに見ると、絵画の雰囲気もまた違って
見えるんでしょうねぇ。行ってみたいなぁ。
という訳で、グッズについて。
絵はがきは種類豊富で選ぶのが楽しかったです。
上:『ヴェールをまとう若い女性』ジャン=バティスト・サンテール
今回の展覧会を見て思ったのは、手の描き方がずば抜けて美しい
作品が多いな、と。
もしかして、作品を選ばれた方の好み……ではないとは思いますが。
むしろ私が手を好きなのかな。ぶつぶつ
この絵は手もさることながら、全体から醸し出される何とも言えない
雰囲気に、何度も何度も絵の前に引き戻されるほどでした。
下:『盗まれた接吻』ジャン=オノレ・フラゴナールとマルグリット・ジェラール
フラゴナールの奥さんの妹さんであるマルグリットとの共作とのこと。
思ったよりも小さいなぁ、と思いつつ絵の前に行けば、その美しさに
吸い込まれそうになるほど。
おそらくマルグリットが手掛けただろというドレスやストールの光沢。
超絶技巧。手を伸ばせば、シルクのスカートに触れられそうな感じでした。
この展覧会は、一番最初の部屋から「絵って何だっけ?写真って何だっけ??」と
混乱するほど写実的で、現実よりもより現実的なものも多くあり。
さすが常設展示だけある、と訳の分からない納得をしておりました。
左:『聖母マリアの少女時代』フランシスコ・デ・スルバラン
聖書外典にはマリアの子ども時代についても書かれている、と説明に
ありまして。そういえば、家に何冊もキリスト教絵画についての本が
あるのに読んでないなぁと。
右:『林檎の木の下の聖母子』ルカス・クラナーハ
独特だなぁ、というのが第一印象。もう少し、じっくり見てくればよかったと
今さら思ってみたり。
おそらく、私がクラナーハの絵を見るのは初めてかと思われ。
なんとも、その視線に落ち着かなくなってしまったんです。
不思議だなぁ。そして、もったいないことしたなぁ。
左:『受胎告知』バルトロメ・エステバン・ムリーリョ
私が今まで実際に見た『受胎告知』の中で、一番好きな作品となりました。
何しろ、天使の様々な表情が見ていて飽きないし、ずり落ちそうな感じの
天使もいたりして。
マリア様の戸惑いと動揺が伝わってくるようだし。そして、なにより必死に
説得してそうにも見える大天使ガブリエル。
真面目な主題なのに叱られてしまうかもしれませんが、何だか見ていてとても
微笑ましいというか。
何しろ美しかった作品。
右下の羊が前足をマリア様の足に乗せているようにも見えてしまい。
いやぁ、美しかった。
最後の1枚は、こちら。
『鳥のコンサート』フランス・スネイデルス
一見、鳥図鑑かと思うような見事な鳥たちの絵。
題名を見て「?」と思ったら、確かに真ん中にいるフクロウの足元には楽譜が。
そして周囲の鳥たちも嘴を開けて歌っているという。
なぜか蝙蝠もいたり、歌っていない鳥もいて声に自信がないのかなぁ、とか
何の曲を歌ってるのかなぁと見れば見るほどに妄想が広がる楽しい一枚でした。
ショップを一回りしていたら、板チョコ発見。
ロシアでは有名な”アリョンカ”というチョコレートだそうで。
わぁ~、パッケージかわい……い?ん?!
可愛いんだけれど、どこか大人びた表情。
どうやら、色んな種類が出ているようですね。
パッケージを慎重にはがし、美味しくいただきました。
この展覧会のオフィシャルサポーターである又吉さんがサンクトペテルブルクを
訪れる番組について書きましたので、興味ありましたら……。
usakameartsandcinemas.hatenablog.com