私が大興奮しながら見ていた『ルドルフ2世に献じられた馬上試合の装飾デザイン集』
の反対側に説明パネルがありまして。
内容は、ボストン美術館に所蔵されているというアルチンボルドの養蚕と製糸の素描に
ついてでした。
こちらも私の好きな青の淡彩のようです。
ボストン美術館のホームページで、全ページ公開されています。
※ 会場には実物の展示はありませんが、全13図の紹介パネルがありました。
素描は13枚あり、1~13までの番号が記されているとのこと。
蚕の卵の準備から染色に至るまでの作業が順を追って描かれているそうです。
1587年ごろ、ルドルフ2世の宮廷を去る直前に描かれたのではないか、と。
素描に付されたアルチンボルドの手紙から帝室長を勤めたフェルディナント・
ホフマン・フォン・グリュンピル・ウント・シュトレッヒャウ男爵宛に送られた
もので、男爵邸の一室の装飾計画だったことが分かったそうです。
各場面はグロテスク装飾によって囲まれることになっていること、他の部屋には羊毛の
生産や衣類の生産に関する主題を描くことができる、ということも書いてあったとか。
ルネサンス期を通じてイタリアで養蚕が発達し、ヨーロッパにおける製糸業の中心と
なったそうです。
最初は半島の南の方で盛んだったものが、やがて北にも広がり16世紀末には
ミラノの周辺でも行われた、と。
プラハでは行われていなかったので、珍しい光景に見えたのではないかと説明に
ありました。
アルチンボルドの素描は一見すると変わった主題だが、この時代の関心を
物語るとともに画家の科学的な側面を強く物語っている。
アルチンボルドの芸術館やプラハの芸術文化についても多くのことを
知ることができる
果たして、この素描は提案で終わったのか、それとも実際に完成されたのか??
いつか、それが分かる資料が出てこないかなぁ、そして、ボストン美術館にも行って
みたいなぁ、などと思う今日このごろです。
ちないに私が大興奮しながら見ていた『ルドルフ2世に献じられた馬上試合の
装飾デザイン集』については、コチラ↓です。
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