Eテレで毎週水曜日の05:55から始まる浮世絵EDO-LIFE。
5分間の番組ながら、毎回1枚の浮世絵を紹介してくれる面白い番組です。
今回の浮世絵
まるでバドミントンでもしているかのように、団扇を持って戯れる女性たち。なんだか楽しそう。一体何をしているのか?
一緒にいるのは家族や友人?
すらりと立つ真ん中の女性は、なかなかスタイリッシュな装い。
着物をよく見ると、黒の絣の下に襦袢の赤がうっすら透けている。
これは”ちぢみ”と呼ばれる通気性の高い生地。涼しくてお洒落だと江戸時代後半に流行した夏の衣装。
みな連れ立って、はるばるここまで歩いてきた様子。
この場所には雑草が生い茂り、道は凸凹。右端には小川。
小川に入っている少年は、草むらに何かを見つけたように手を伸ばしている。
空を見上げれば宵闇の迫る頃。日没後およそ2時間が狙い目だとか。
そう、夏の宵、江戸の人たちがごぞって郊外の水辺まで取りに出掛けたもの。
少年が手にしているのは虫かご。通気性のよい透ける布が貼られた”ある虫”専用に作られたもの。
答えは蛍。
喜多川歌麿の『蛍狩り』。
当時は江戸の近郊でたくさん見ることができ、毎年初夏の夜になると人々は蛍を求めて水辺に繰り出し蛍狩りに興じた。
蛍狩りに欠かせないのは虫かごと団扇。
飛んでいる蛍に狙いを定めたら、一気に叩き落としたり、団扇と手で挟んだりして捕まえていた様子。
こちらの女の子は、もう捕まえた様子。じっと手元を見つめている。これも蛍専用の虫かご。
木箱には”絽(ろ)”や”紗(しゃ)”など中が透ける薄い布が貼られている。着古した夏の着物地を蛍の虫かご用にリメイクすることもあったとか。この箱に蛍を入れると、花柄の模様が浮かび上がり、小さな行灯のように。
団扇で舞い飛ぶ蛍を追うもよし、首尾よく捕まえられたら家で楽しむもよし。江戸っ子の夏に蛍は欠かせない。